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尻っぽ
「尻っぽ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尻っぽの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うっかり口走ってしまったので、今さら後悔しても追っ付かなかった。かれは半七にその
尻っぽを捉まえられて、とうとう恐れ入って白状した。 半七の想像通り、かれは自分....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
幸運なのであろう。人間は生れた時から何かの影響に浮身をやつしている。
三万人の
尻っぽについて小説を書いたところで、いったい、それが何であろう、運がむかなければ....
「蕎麦の味と食い方問題」より 著者:村井政善
て汁をたっぷりつけたくともつけられないのであります。 大根は皮つきのまま、必ず
尻っぽの方からおろすとよいのです。これを逆に頭の方からおろすと、ぐっと辛味がなく....
「旅愁」より 著者:横光利一
淋しそうだと云われると、どうも妙な気がするね。千年も前からつづいている電話の線が
尻っぽにくっついていて、そこから話が出て来る電話を聞いてるようなものだ。」と東野....
「自我の足かせ」より 著者:宮本百合子
我の確立が必要であると考えている人がどっさりある。 まったく思えば日本の封建的
尻っぽというものは、妖怪じみて巨大である。なにしろ二十世紀のなかばまで、あれほど....
「女の一生」より 著者:森本薫
と。 けい はい。 章介 (つくづくとみて)ははあ。これがあの、いつかの晩、鼠の
尻っぽみたいな下げ髪で藁草履をつっかけて迷いこんできたしらみくさい女の子かね。 ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
が、崖の端へ立って、若者へ笑いかけた。
「お手前など対手でない。引込め」
「牧に
尻っぽを振って、ついて参れ」
山内は、さっと赤くなった。刳形《くりがた》へ手を....
「魔像」より 著者:林不忘
しを願おう――知らずのお絃、白ちりめんの蹴出《けだ》しが闇黒《やみ》におよいで、
尻っぽに火のついた放れ馬のよう、それこそ、足もと知らずにスッ飛んで行く。 「いや....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
って仕方がない。俵にかけては神様も同然の彼のことである。かつがせておいて、あとで
尻っぽを抑えればそれでよかったのだ。従って村人は彼の存在を大して苦にしない。刑期....
「神楽坂」より 著者:矢田津世子
るのだった。 時折り、竹鋏を持ち出した爺さんに塵芥箱の中をかきまわされて大根の
尻っぽだの出し昆布の出殻をつまみあげられては、 「勿体ないことをしくさる。煮付け....
「旅役者の妻より」より 著者:矢田津世子
で、自分で考案した竹の鋏で何や彼やを拾ってきては、勿体ない、を言いつづけ、大根の
尻っぽや人蓼の皮まで、味噌汁のだしにしたりして用立て、人からきた手紙の封筒やかん....
「食器は料理のきもの」より 著者:北大路魯山人
示されて、今にその例が残っています。 一生連れ添う女房が、どこの馬の骨でも牛の
尻っぽでもよい、なんでも有るもので間に合わすというのでは、向上がなく、百年不作を....
「予謀殺人」より 著者:妹尾アキ夫
をきって、そのなかから鼠の死体をとりだし、それを紙のうえにおいて頭をちょんぎり、
尻っぽをつまんで持ちあげて、頸からしたたる血の滴を、ナイフの上に落して、指先で刃....