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尻声
「尻声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尻声の前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「映画時代」より 著者:寺田寅彦
あくおけ》のしずくやみけりきりぎりす」などはイディルレの好点景であり、「物うりの
尻声《しりごえ》高く名乗りすて」は喜劇中のモーメントである。少なくも本邦のトーキ....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
得ない牛も多いと見え、そちこちに牛の叫び声がしている。暗い水の上を伝わって、長く
尻声を引く。聞く耳のせいか溜らなく厭な声だ。稀に散在して見える三つ四つの燈火がほ....
「木精」より 著者:森鴎外
次第に濃くなる鼠色に漬されて行く。 七人の知らぬ子供達は皆じいっとして、木精の
尻声が微かになって消えてしまうまで聞いている。どの子の顔にも喜びの色が輝いている....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
いきいきとして夫をあしらい子をあしらえど、根がわざとせし偽飾なればかえって笑いの
尻声が憂愁の響きを遺して去る光景の悲しげなるところへ、十兵衛殿お宅か、と押柄に大....