» 尻押

「尻押〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

尻押の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
た》がっていたから、臼や蜂や卵なども反動的思想を持っていたのであろう、事によると尻押《しりお》しをしたのは国粋会《こくすいかい》かも知れないと云った。それから某....
式部小路」より 著者:泉鏡花
のない東京だ。ああ、しかし贅六でも可い、私は基督教を信じても可い。 私が愛吉の尻押しをして、権門に媚びて目録を貪らんがために、社会に階級を設くるために、弟子の....
仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
於て首相を凌ぐと取沙汰されているのも、実はといえば、この大熊老人が特に大蔵大臣の尻押しをしているからであった。大熊老人の鼻息の荒いもう一つの理由は、老人は三十年....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
った。徳次郎という小僧は果たして山城屋の娘に殺されたのか。あるいは誰かその兄貴の尻押しをして、山城屋に対して根もない云いがかりをしたのか。半七は午飯を食いながら....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
き意図、時に大胆な冒険という風なものを、ひっくるめて、妨害、阻止しかねない俗論の尻押しをする結果になっているのである。 装置のことに明るくない美術家が、たまた....
春泥」より 著者:久保田万太郎
せている。それだけ臭いと俺はにらんでる。――新聞には関西のある若宮を贔負の金持が尻押だとしてあるがどうせほんとうのこっちゃァねえ。」 「誰だろう? ――どこから....
チチハルまで」より 著者:黒島伝治
方に進んだ。 兵士達は、執拗な虱の繁殖になやまされだした。 「ロシヤが馬占山の尻押しをしとるというのは本当かな?」もう二十日も風呂に這入らない彼等は、早く後方....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
――今、やって来ましゅよ。これゃ、どうも、こんな風じゃ、どこかで、だいぶ蒋介石に尻押しをしてる奴があるんだな。わしゃ、どうも、そう睨む。」 「今夜中に、さぐっち....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ら、と、今さらいと真剣に考えはじめ、しかめつらしい顔をそろえてパンパン街の復興の尻押しに乗りだしたからといって、笑うわけにいかない。 温泉都市の性格が、今のと....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
たやも知れぬよ」 「そうでござりましたか。実は御前があ奴の身の上を御承知の上で、尻押しなさったのじゃろうと邪推致しましたゆえ、ついカッとなりまして、あの翌る日職....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
相手は防長征討軍の苦い経験をなめ、いったん討死の覚悟までした討幕の急先鋒だ。この尻押しには、英国公使パアクスのようなロセスの激しい競争者もある。薩摩は挙兵上京と....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
聞くと、げらげら笑った。そしてその中の一人などは、フョードル・パーヴロヴィッチの尻押しをしにかかったほどであったが、他の連中は、やはりなお、並はずれの陽気さは失....
南国太平記」より 著者:直木三十五
筋もないことだ。申し分があれば、月番まで申して出い。掏摸の後押しをしたり、お妾の尻押しをしたり――それとも果し合うならな、束になってかかって参れ、材木を削るより....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ら手の出るような返事をする。 「そうだ、それを一番、貴様がものにしてみる気なら、尻押しをしてやるまいものでもない」 「御冗談をおっしゃっちゃいけません、あなた方....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、安からぬことに思いました。 それは、この辺の土民にしてはやり過ぎである。誰か尻押しをしたものがあるのだろう、けしかけたものがあるだろう、黒幕にいるものがある....