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「尼公〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

尼公の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
夫を娘に譲って、その睦《むつ》まじきを羨むにつけ、指ことごとく蛇に化《な》りたる尼公《あまぎみ》等あり。 もしそれ失恋の極蛇になったもっとも顕著なは、紀伊の清....
明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
った。その中で皇族の身をもって始終精神堅固に、仏教によって民心をなごめられた村雲尼公《むらくもにこう》は、玉を磨いたような貌容《おかお》であった。温和と、慈悲と....
明治大正美人追憶」より 著者:長谷川時雨
おくま》侯夫人綾子も老いての後も麗々しかったように美しかった。その中にも故|村雲尼公《むらくもにこう》は端麗なる御容姿が、どれほど信徒の信仰心を深めさせたか知れ....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
いてしたので、その時には母公の弟親長の妻が、はるばる鞍馬まで出向いた。翌文明三年尼公が執行作善の時には、実隆は叔父親長とともに出向き、親長は二泊して帰洛したとあ....
雪の宿り」より 著者:神西清
にもう一つ、貞阿にとって全くの闇中の飛礫であったのは、去年の夏この土地の法華寺に尼公として入られた鶴姫のことが、いたく主人の好奇心を惹いているらしいことであった....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
節の青年大邦に使ひす 八顆の明珠皆楚宝 就中|一顆最も無双 妙椿 八百尼公技絶倫 風を呼び雨を喚ぶ幻神の如し 祠辺の老樹|精萃を蔵す 帳裡の名香美人を....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
よラサ府を去ろうと極めた訳です。けれども、我が恩を受けて居るところの前大蔵大臣と尼公に対し、自分の本来を打ち明けずに欺いて帰るに忍びないからです。 それで私は....
私本太平記」より 著者:吉川英治
したり、キャキャとはしゃぐと、よく涎を垂らしたりしたので、彼を盲愛する生母の覚海尼公も、後見の長崎|円喜らも、たまりかねて、その栄座から、ひっ込めたものであった....
私本太平記」より 著者:吉川英治
聞えるたび、悲痛な揺れが、外門から内門を押し返していた。 すると、そこへ、 「尼公のお使いがお見えなるぞ。そこを通せ。武者ども、開け」 と、大声がした。――....