尼前[語句情報] »
尼前
「尼前〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尼前の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ぶれは同じだったであろ。……この上はもう、さいごの心をきめました。そなたは元々、
尼前のおん身。草庵に帰って、ひたすら籠っておられるがよい」 しいて、尼を退がら....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
から、高氏は登子と揃って、そのくつろぎを、草心尼母子の前に気やすくしていた。 「
尼前。このたびは、えらいご奮発だのう。……故郷をすてて都住みとは」 「もうもう、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
いどの商用客ではない。 以前にも見えたことのある母子で、母は三十すぎのきれいな
尼前、子は十七、八歳の琵琶法師で、柳斎旦那とは、よほどお親しい関係らしく、いちど....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
の反省を突いたらしく、遠くから兵の頭が、尼の顔をさがして言った。 「おっ、昨夜の
尼前か」 「止めて給われ」 「あなたも、まちがいだと仰っしゃるか」 「まちがいで....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
と、みかどへも、法皇上皇へも、駒をすすめた。輿もおびただしく用意され、女院や
尼前の足弱は、兵に舁かれた。 蹴上には、六角時信の兵二、三百がお待ちしていた。....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
いました」 「ほうっ、草心尼だの」 「はや、お忘れかと思いましたが」 「なんの、
尼前を忘れようか。もう十年も会わなんだであろ。そうだ、国元の世良田で会ったきりだ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
内に入れて敷物を与え、そこらの将士をしりぞけてから、自分も楯の上に胡坐した。 「
尼前ではないか。どうしてこのようなあぶない所へは」 「オ、尊氏さま」 と、草心....