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尼君
「尼君〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
尼君の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
四五人居ならびつ。ここにて謡えるなりき。釜かけたる湯の煙むらむらとたなびく前に、
尼君一|人薄茶の手前したまいぬ。謡の道|修するには、かかることもするものなり。覚....
「源氏物語」より 著者:紫式部
しまったという責任を感じるのだ。君の妹の少将の命婦《みょうぶ》などにも言うなよ。
尼君なんかはまたいつもああいったふうのことをよくないよくないと小言《こごと》に言....
「源氏物語」より 著者:紫式部
おいたりすることは仏様のお喜びにならないことだと私はいつも言っているのに」 と
尼君は言って、また、 「ここへ」 と言うと美しい子は下へすわった。顔つきが非常....
「源氏物語」より 著者:紫式部
者は西の対の主の何人《なにびと》であるかをいぶかしく思っていた。女王は今も時々は
尼君を恋しがって泣くのである。源氏のいる間は紛れていたが、夜などまれにここで泊ま....
「源氏物語」より 著者:紫式部
あることを言ってだれも祝った。少納言なども心のうちでは、この結果を得たのは祖母の
尼君が姫君のことを祈った熱誠が仏に通じたのであろうと思っていた。父の親王も朗らか....
「源氏物語」より 著者:紫式部
りけり 不謹慎だ私は」 と言って、落ちてくる涙を拭《ぬぐ》い隠そうとした。
尼君が、京時代の左近中将の良人《おっと》に、 「もろともに都は出《い》できこの....
「源氏物語」より 著者:紫式部
かとも煩悶《はんもん》されて、結局は自身の薄倖《はっこう》を悲しむ明石であった。
尼君は思慮のある女であったから、 「あなたが姫君を手放すまいとするのはまちがって....
「源氏物語」より 著者:紫式部
ばれたのを見て、紫夫人は侮辱されたのに似たような気が少しした。空蝉《うつせみ》の
尼君には青鈍《あおにび》色の織物のおもしろい上着を見つけ出したのへ、源氏の服に仕....
「源氏物語」より 著者:紫式部
と源氏は独言したが、鼻の赤い夫人は何のこととも気づかなかったであろう。 空蝉の
尼君の住んでいる所へ源氏は来た。そこの主人らしくここは住まずに、目だたぬ一室にい....
「源氏物語」より 著者:紫式部
たちの衣裳その他の用意を、紫夫人のするのに劣らず派手に仕度し始めた。姫君の祖母の
尼君は姫君の出世をどこまでも観望したいと願っていた。そしてもう一度だけ顔を見たい....
「源氏物語」より 著者:紫式部
石で生まれた時のこと、また院がその海岸へ移って来ておいでになったころの様子などを
尼君は言う、 「京へお帰りになりました時、一家の者はこれで御縁が切れてしまうのか....
「犬神娘」より 著者:国枝史郎
間ご上人様は何もおっしゃらず、透きとおるほど白いお顔の色、和尚様と申そうよりも、
尼君様と申しました方が、いっそう似つかわしく思われるような、端麗|柔和の上品のお....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
一 米と塩とは
尼君が市に出で行きたまうとて、庵に残したまいたれば、摩耶も予も餓うることなかるべ....
「世界漫遊」より 著者:ダビットヤーコプ・ユリウス
した世襲財産のある伯爵家の未来の主人である。親類には大きい尼寺の長老になっている
尼君が大勢あって、それがこの活溌な美少年を、やたらに甘やかすのである。 二三年....
「無月物語」より 著者:久生十蘭
臣、参議の思いものや、夫婦仲のいい判官や府生《ふせい》の北ノ方、得度したばかりの
尼君、というふうにむずかしければむずかしいほどいいので、これと見こんだら、尼寺の....