尼御前[語句情報] » 尼御前

「尼御前〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

尼御前の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
母親は既に後家になっているのみならず「歳《とし》のころ、五十歳《いそじ》あまりの尼御前《あまごぜ》」である。そうして、藤兵衛の情婦お由《よし》の示す媚態とは絶好....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
理がない、実に何ともその若僧が言いようもない程の美男なのです。 「ほほう、川下の尼御前、羨ましい恋よ喃」 「いえ、あの、知りませぬ。そんなこと知りませぬ。それよ....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
男から、かくまで、手管《てくだ》をつくした言葉を聴かされては、どのような、木石の尼御前でも、心を動かさずにはいられまい。 まして、浪路は、青春妙齢の艶婦――し....
胚胎」より 著者:宮本百合子
居りまする浅間しい様子を思うのはまことにいやな事での。 修道院に若くて美くしい尼御前の大勢になるのもこの時でお寺の墓掘りの懐の肥えるのもその時でござりますじゃ....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
べし」と師の恩を感謝した。 それにもまして美しい、私の感嘆してやまない消息は新尼御前への返書として、故郷の父母の追憶を述べた文字である。 「海苔一ふくろ送り給....
私本太平記」より 著者:吉川英治
外から、ことばの途切れを機に入ってきた静かな人がある。まだ三十路がらみのきれいな尼御前であった。清子の横へ、手をつかえると。 「北の方さま。世良田のお使いには、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
は反撥していた。 「下郎根性。この数日は、お供するにも誠意は見えず、ぜひなく盲と尼御前に付いているといった風だ。……よし、いちど、とっちめておいてやろうか」 ....