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「尽くす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

尽くすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十本の針」より 著者:芥川竜之介
る)には与えられない。それらの人々はそれらの人々の一生を恐ろしい遊戯のうちに用い尽くすのである。あらゆる幸福はそれらの人々には解剖するために滅少し、同時にまたあ....
想片」より 著者:有島武郎
また二つの態度が考えられる。踏みとどまる以上は、極力その階級を擁護するために力を尽くすか、またはそうはしないかというそれである。私は後者を選ばねばならないものだ....
二つの道」より 著者:有島武郎
《まさ》った愚かさであろう。いかなるよき名を用いるとも、この二つの道の内容を言い尽くすことはできまい。二つの道は二つの道である。人が思考する瞬間、行為する瞬間に....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
あまりはかばかしくはゆかなかった。その後この障害が消失し、同時にまた科学のために尽くす研究者の数も、彼らの利器の数も矢つぎ早に増加した。最近における大規模の進歩....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
無言の数秒の間に、不能語、不可説なる至微至妙の霊語を交えたりき。渠らが十年語りて尽くすべからざる心底の磅※《ほうはく》は、実にこの瞬息において神会黙契されけるな....
夜行巡査」より 著者:泉鏡花
に道を迂回《うかい》し、あるいは疾走し、緩歩し、立停《りゅうてい》するは、職務に尽くすべき責任に対して、渠が屑《いさぎよ》しとせざりしところなり。 ....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
り。ゆえに余は、真理を愛すると同時に、国家を愛するものなり、真理のためにその心を尽くすと同時に、国家のためにその力をつくすものなり。これ、余が内にありて理論哲学....
西航日録」より 著者:井上円了
当夜四面雲晴れ、明月天に懸かり、波間の清数点の船灯と相映じ、湾内の風光筆紙のよく尽くすところにあらず。余、船中にありて「阜頭明月情如満、不照江山照我心」(埠頭の....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
でて、市中の寺院(旧教)三、四カ寺を訪う。建築は壮大ならざるも、内部の装飾は美を尽くす。ただし参拝者多からず。聞くところによるに、当地は教育を受けたる男子は寺院....
迷信解」より 著者:井上円了
種の夢を見ると心得ても差し支えない。そのくわしき説明は心理学の問題なれば、ここに尽くすことはできぬ。古代、人知の開けざりしときには、人の死しても生時と同じく精神....
妖怪学」より 著者:井上円了
心理的妖怪は、我人の精神思想作用の上に現ずるものなれば、心理学のみにて解釈し尽くすべきがごとしといえども、これに数種類ありて、精神病によりて発するものは病理....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
しいことである。われわれは、手のつけようのない無知のために、この造作のない礼儀を尽くすことをいとう。こうして、眼前に広げられた美の饗応にもあずからないことがしば....
茶の本」より 著者:岡倉由三郎
惧の眼を見はらしめるに至った兄は、いまさらのように天地のひろさを思い祖国のために尽くす新しき道に想到したのであった。そしておのが手で守りたててきた東京美術学校を....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
と、片側は竹藪に仕切られて、片側には杉の木立の間から桑畑が一面に見える。坂を降り尽くすと、広い墓地に出た。 墓地を左に折れると、石の柵をめぐらした広い土の真ん....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
あったので、その友人たちのうちには稀には極端な節約家の彼に散財させて、一夕の歓を尽くすようなこともあった。 彼は強い感情家であるとともに、非常な空想家であった....