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「尾上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

尾上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
内者の指揮の場所で、かすみを張って囮を揚げると、夜明け前、霧のしらじらに、向うの尾上を、ぱっとこちらの山の端へ渡る鶫の群れが、むらむらと来て、羽ばたきをして、か....
自叙伝」より 著者:大杉栄
。その頃から父は旅団副官をやっていた。幼年学校にはいるその年か前年かに、僕の家は尾上町に引越した。どうもこの尾上町でのことではなかったようだ。すると、ロシアに対....
天守物語」より 著者:泉鏡花
ずさのようにも見えた。――夜叉ヶ池のお雪様は、激いなかにお床しい、野はその黒雲、尾上は瑠璃、皆、あの方のお計らい。それでも鷹狩の足も腰も留めさせずに、大風と大雨....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
に動く状を目に宿したのである。 「あれは、はあ、駅長様の許へ行くだかな。昨日も一尾上りました。その鱒は停車場前の小河屋で買ったでがすよ。」 「料理屋かね。」 「....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
して、伊良子ヶ崎の海鼠で飲もう、何でも五日六日は逗留というつもりで。……山田では尾上町の藤屋へ泊った。驚くべからず――まさかその時は私だって、浴衣に袷じゃ居やし....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
横長な掛行燈。 一………………………………坂東よせ鍋 一………………………………尾上天麩羅 一………………………………大谷おそば 一………………………………市川....
一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
の短歌滅亡論という奴が流行って来たじゃないか。 A 流行るかね。おれの読んだのは尾上柴舟という人の書いたのだけだ。 B そうさ。おれの読んだのもそれだ。然し一人....
丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
珍らしいな」と純之進は云った。 「はい、先月この境内に掛りました」 「この別庵の尾上小紋三と申す者の肩書に、七化役者としてあるのは珍らしいな。どういう事を致すの....
子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
いやられます。 その一座のうちに六三郎という女形がありました。中村というのか、尾上というのか、市川というのか忘れてしまいましたが、年は十六、娘形専門の綺麗な児....
小坂部伝説」より 著者:岡本綺堂
伝説の方でも播州姫路の小坂部といえば誰も知っている。芝居の方でも小坂部といえば、尾上家に取っては家の芸として知られている。それほど有名でありながら、伝説の方でも....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
縁日 柳行李 橋ぞろえ 題目船 衣の雫 浅緑 記念ながら 縁日 一 先年|尾上家の養子で橘之助といった名題|俳優が、年紀二十有五に満たず、肺を煩い、余り胸....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
―」 と、さし俯向いて、畳んだ扇子で胸を圧えた。撫肩がすらすらと、薄のように、尾上の風に靡いたのである。 「お待ちないよ、この振袖。失礼ですが、……色はさめま....
源之助の一生」より 著者:岡本綺堂
に、もうその頃は、中村福助(今の歌右衛門)が歌舞伎座の立おやまたるの位地を固め、尾上栄三郎(後の梅幸)も娘形として認められ、年増役には先代の坂東|秀調が控えてい....
明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
その後も市中おだやかならず、劇界不振をきわむ。 ○八月、市村|家橘改名して五代目尾上菊五郎となる。時に二十五歳。 ○九月二十三日の夜、河原崎権之助、今戸の宅にて....
古事記」より 著者:太安万侶
勢の神がその兎に言いましたには、「お前はこの海水を浴びて風の吹くのに當つて高山の尾上《おのえ》に寢ているとよい」と言いました。それでこの兎が大勢の神の教えた通り....