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「居候〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

居候の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
たのである。 「ママお二号さんなの……?」 「うん。旦那は土曜だけ来るんだ。おれ居候みたいだろう。だから、旦那に見つからない方がいいんだ」 京吉は聴えるように....
放浪」より 著者:織田作之助
言葉も耳にはいらぬ振りして小まめに働いていたが、ふと気がついみると、木下は自分の居候していることを嫌がっているようであった。遠廻しに、君はこんなことをしなくても....
世相」より 著者:織田作之助
感的な女であった。 二 早くから両親を失い家をなくしてしまった私は、親戚の家を居候して歩いたり下宿やアパートを転々と変えたりして来たためか、天涯孤独の身が放浪....
大使館の始末機関」より 著者:海野十三
なく前後して、目を覚ました。 「人払いだ」 醤は、目が覚めるや、大声を発した。居候なりとはいえ、今を時めくABCDS株式国家のC支店長の号令である。それに愕い....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
焼でも土産に持って、東海道を這い上れ。恩地の台所から音信れたら、叔父には内証で、居候の腕白が、独楽を廻す片手間に、この浦船でも教えてやろう。) とずっと立つ。....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
ような工合で、旦那方のお酒に毒でもありそうな様子|合が、申訳がございません。で、居候の私に、代理として一杯、いんえただ一つだけ。おしるしに頂戴してくれるようにと....
小公女」より 著者:菊池寛
ルウ大尉が死んだのさ。一文なしで死んじゃったのだよ。あの気まぐれな我儘娘は、私の居候になったわけさ。」 アメリア嬢は、手近の椅子にどかりと腰を下しました。 「....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
の階梯は急なり」と言っている。しかもこの老貴婦人の憐れな話し相手リザヴェッタが、居候と同じような辛い思いをしていることを知っている者は一人もなかった。A伯爵夫人....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
でいます」 船長は僕のこの向う見ずな考えを諫止しようと努めたが、僕は高級船員の居候を断わって、かの一室を独占することにした。それは馬鹿げた事であったかどうかは....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
知ることもできなかつた。 さて、伊藤がやつてきた当時の私の部屋には別にもう一人居候がいたので、合計三人を負担して、三畳の部屋はまさにその収容力の極限に達した。....
火の扉」より 著者:岸田国士
もいゝのだ。おれは、なるほど、ルンペンだ。しかし、たゞのルンペンではない。おれは居候かもしれん。しかし、たゞの居候とはわけがちがう。江原久作の芸術は、おれの霊感....
」より 著者:犬田卯
たが、当時、親父がまだ身代を切り廻していて、作男達と共に百姓でもしない限り、全く居候的存在にすぎない自分を不甲斐ないものに思い、服役中過ごした南満の地に再び舞い....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
ったでしょう。) (貴女は。) (私は可厭ですわ――それに御厄介になっております居候なんですから。) 瓜の中が解ったら、あるいはこの意味も、どうした事か、解る....
放浪」より 著者:織田作之助
葉も耳にはいらぬ振りして小まめに働いていたが、ふと気がついてみると、木下は自分の居候していることを嫌がっているようであった。遠廻しに、君はこんなことをしなくても....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
大いに気をよくして働き続けたが、独身生活の悲しさ、地味な暮しができず、三、四人の居候をかかえる始末。たちまち酒屋の払いだけでも七十円ばかりためてしまうありさまで....