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居場所
「居場所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
居場所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
を二三枚つかんで、忙しそうにはいって来た。彼は俊助に声をかけられて、やっと相手の
居場所に気がつくと、これは隣席の夫婦づれにも頓着なく、無造作《むぞうさ》に椅子を....
「猫と色の嗜好」より 著者:石田孫太郎
もので、如何に其猫が鼠を捕りたくても歩く毎に鈴が鳴っては堪らない、之は鼠に自分の
居場所を通知しつつ追いに行くのと同一である、如何に鈍間な鼠でも鈴を着けた猫に捕ら....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
毒吐いた。 「さて、ところで、ここに一つ、お前に聞かせてえことがある。他でもねえ
居場所だ。密夫密婦の
居場所だ。チラリと俺は聞き込んだ。どうだどうだ聞きたかろう。....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
、聖者《せいじゃ》は博士の前に近く立っていた。ふしぎである。博士は、自分の現在の
居場所を知るために、あたりに目を走らせた。依然《いぜん》として、同じ城壁の上に居....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
ょう」 どんなに云われても桔梗様には、返事をすることが出来なかった。永生の蝶の
居場所を、真実知っていないからである。 首をうなだれた桔梗様は、ただ繰り返すば....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
とはいえない。 ピート一等兵は、顔をむけかえて、もう一人の人物、黄いろい幽霊の
居場所を、さがしもとめた。 ところが、黄いろい幽霊は、どこへいったものか、見つ....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
ではないか) これも茅野雄にはおかしかった。 覚明は容易に人に逢わず、絶えず
居場所を眩ませていた。時あって姿を現わす時には、十数人の侍者に周囲を守らせ、威厳....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
ている、良くねえ奴がいるのだよ。だがここに幸のことには、まだそいつらは紫錦さんの
居場所を、ちょっと知っていねえのさ。……ね、これで解ったろう、俺らがどうして紫錦....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
」 「おやおや左様でございましたか。それはまことに幸いで、そのお方ならこの老人が
居場所を存じて居りますよ」 「まあ」と云ったが娘の民弥は、驚きもすれば喜びもした....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
な形に、斜面をなして懸かっていた。 左門の姿は見えなかった。 いよいよ左門の
居場所は確実に解った。やはり、最後に残った釣り手の背後――釣り手の角の背後にいる....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
来たのであった。 江戸はほんの眼の先にあり、自分の屋敷も眼の先にあったが、敵の
居場所さえ突き止めない先に、まさか屋敷へも立寄られない。こう思って二人は江戸入り....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
。あれは神様の後光だけなんだよ。神様の体なんていものは伊太利の生章魚のようにその
居場所によってその
居場所と同じようになっちまうんだから到底見えやしないよ。 そ....
「城」より 著者:カフカフランツ
。どんなにしばしばわたしたちは、両親があそこにくずおれてしまって、自分たちの狭い
居場所にたがいにもたれ合い、自分たちの身体をほとんど包んでくれない薄い毛布をかけ....
「断食芸人」より 著者:カフカフランツ
恵まれた時代の何かあるものがちらついていた。すると断食芸人はときどき、もし自分の
居場所がこんなにも動物小屋に近くなかったならば、万事はもう少しよかったろうに、と....
「変身」より 著者:カフカフランツ
てグレゴールは全然返事をせずに、ドアがまったく開けられなかったかのように、自分の
居場所から動かなかった。この手伝い婆さんに気まぐれで役にも立たぬじゃまなんかさせ....