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居室
「居室〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
居室の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球を狙う者」より 著者:海野十三
いたとき、相手から警戒せられないためだ。これは想像だけではない。現に自分は昨夜、
居室の窓外から妙な奴がこっちをうかがっているのを見かけた。そやつは、奇怪にも余と....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
た姿。円い透硝子の笠のかかった、背の高い竹台の洋燈を、杖に支く形に持って、母様の
居室から、衝と立ちざまの容子であった。 お妙の顔を一目見ると、主税は物をも言わ....
「乱世」より 著者:菊池寛
に、十三人が閉じこめられてから数日経った。本堂に続いた二十畳に近い書院が、彼らの
居室に当てられた。住持の好意によって、手回りの品物が給せられた。警護の鳥取藩士は....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
気持になりながら、仕方なしに、また襖をあけて玄関の奥の一室にはいった。そこは母の
居室になっていたものと見えて、箪笥だの鏡台だのがならんでいるだけで、誰もいなかっ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
遇が甚だ冷淡であった。 その第二日に、その家の息子らしい十二、三歳の少年が私の
居室の前に遊んでいた。彼は私の持っている扇をみて、しきりに欲しそうな顔をしている....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ることになっているそうだし、飛行甲板の下につけることになっている専属修繕工場や住
居室もでき上っていない。 それにひきかえ、鉄塔の中を上下しているエレベーターと....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
々の位牌を預ける事にした、そこで回向堂とも称うるので、この堂守ばかり、別に住職の
居室もなければ、山法師も宿らぬのである。 「また、東京へ行きますから、もう一度と....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
卜うのだといって、仁右衛門爺さんが、八時頃に遣って来て、お金子が紛失したというお
居室へ入って、それから御祈祷がはじまるということ、手を休めてお庭からその一室の方....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
毛布もてその肌|蔽いたり。続きて染の顔見ゆ。あとなるは伯母上なりき。 楽屋なる
居室の小窓と、垣|一重隔てたる、広岡の庭の隅、塵塚の傍に横わりて、丈三尺余、周囲....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ある。敲音なども、平生使い慣れた卓子には早く起り、又諸種の心霊現象も、霊媒自身の
居室でやるのが、最も容易に起り易いものである……。 『最初自動書記の文字は小さく....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
、明るく物が考えられて来るのだった。 門をはいって、植込から見上げると、夫人の
居室に、水色のカーテンごしに、ぼっかりと灯がついているのが見える。 彼がモザイ....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
嘆賞するところとなった。しかし姫は、それから一年もジーグフリードとは遇わず、ただ
居室の高窓から微笑を送るのみであった。 と、そのうち、姫とジーグフリードを結び....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
云う気のきいたものはなければ、余は船の最も底の倉庫のごとき処に毛布を敷き、そこを
居室兼寝室と定めしも、天気晴朗なる日はそのような薄暗き処に閉じこもる必要なし、余....
「茶の本」より 著者:岡倉由三郎
その会心の笑みともいうべきものを、旅情の慰安に筆にしようとした兄のボストンの
居室の机の上にはきっと一冊の『茶経』が開かれていたに違いない。座右にはまだ類似の....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
皇の御為に敬造せられた東方浄土の教主薬師如来の尊像を安置し、西の間は依然太子の御
居室として遺されてあった所へ、太子の薨後さらにその御為に敬造せられた釈迦如来の尊....