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居所
「居所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
居所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「片恋」より 著者:芥川竜之介
どう》だと云うんだから、笑わせる。
その癖、お徳はその男の名前も知らなければ、
居所《いどころ》も知らない。それ所か、国籍さえわからないんだ。女房持か、独り者か....
「路上」より 著者:芥川竜之介
森川町でも、比較的閑静な一区劃にあった。それも京橋辺《きょうばしへん》の酒屋の隠
居所を、ある伝手《つて》から二階だけ貸して貰ったので、畳《たたみ》建具《たてぐ》....
「或る女」より 著者:有島武郎
されました。古藤君の手紙は兵営に行く五日前に書かれたものでした。いまだにあなたの
居所を知る事ができないので、僕の手紙はやはり倉地氏にあてて回送していると書いてあ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ぐべし」
三人は小屋に這入《はい》った。入口の右手に寝藁《ねわら》を敷いた馬の
居所と、皮板を二、三枚ならべた穀物置場があった。左の方には入口の掘立柱《ほったて....
「星座」より 著者:有島武郎
を知っている。おぬいさんにどんな心を動かしていくかもしれない。……
蝿が素早く
居所をかえた。
俺はおぬいさんを要するわけではない。おぬいさんはたびたび俺に眼....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
、季節に応じて変ってゆく牧場を絶えず新たに求める必要があるので、こういう遊牧民の
居所は彼らの家畜によって定まることになっていった。決してその逆ではなかったのであ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
り借りましたのが、私庵室の背戸の地続きで、以前立派な寺がありました。その住職の隠
居所の跡だったそうにございますよ。 豆を植えようと、まことにこう天気の可い、の....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ところで、一軒は御本宅、こりゃ村の草分でござりますが、もう一軒――喜十郎様が隠
居所にお建てなされた、御別荘がござりましての。 お金は十分、通い廊下に藤の花を....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
かり。 傍から、また饂飩屋が出て舞台へ立った。 「これから女形が演処なんだぜ。
居所がわりになるんだけれど、今度は亡者じゃねえよ、活きてる娘の役だもの。裸では不....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
出すにつけて、吹散った体になって消えました、と申すが、怪しいでは決してござらぬ。
居所が離れ陰気な部屋の深いせいで、また寂い汽車でござったのでの。 さて、品川も....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
家へ。 翌日|取も置かず篠田を尋ねて、一部始終|悉しい話を致しますると、省みて
居所も知らさないでいた篠田は、蒼くなって顫え上ったと申しますよ。 これから二人....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
威厳犯すべからざるものある小山の姿を、しょぼけた目でじっと見ると、予言者の鼻は
居所をかえて一足|退った、鼻と共に進退して、その杖の引込んだことはいうまでもなか....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
うたりき。 岸には推ならべて柳の樹植えられたり。若樹の梢より、老樹の樹の間に、
居所かわるがわる、月の形かからむとして、動くにや、風の凪ぎたる柳の枝、下垂れて流....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
れ、わずらわしいことばかり多かった人生の余暇を静かに夢みながら暮すことができる隠
居所をもとめるならば、この小さな渓谷にまさるところは知らない。 このあたりには....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
て、……はねると直ぐに楽屋で会った。 私はいきなり跪いたよ。むこうが椅子でも、
居所は破畳です。……こう云うと軽薄らしいが、まったくの処……一生懸命で、土間でも....