居留地[語句情報] »
居留地
「居留地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
居留地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
のように眺めたと云う記憶があった。……
「どうです、この銅版画は。築地《つきじ》
居留地の図――ですか。図どりが中々巧妙じゃありませんか。その上明暗も相当に面白く....
「或る女」より 著者:有島武郎
なきたない部屋《へや》の中は、ことさら湿《しと》りが強く来るように思えた。葉子は
居留地のほうにある外国人相手の洋服屋や小間物屋などを呼び寄せて、思いきったぜいた....
「火事とポチ」より 著者:有島武郎
にさびしくなった。ポチは、妹と弟とをのければ、ぼくのいちばんすきな友だちなんだ。
居留地《きょりゅうち》に住んでいるおとうさんの友だちの西洋人がくれた犬で、耳の長....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
》を使いながら訊いた。 「事によっちゃあ踏み出してもいいが、一体どんな筋だ」 「
居留地の異人館の一件ですがね、去年の九月、男異人ふたりと女異人ひとりが江戸見物に....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
この菊人形を見物に来たんです。その頃はみんな異人と云っていましたが、これは横浜の
居留地に来ている英国の商人で、男ふたりはいずれも三十七八、女は二十五六、なにかの....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
と云います夫なら若し其製法でも知ては居ぬかと問ましたら自分は知らぬが自分の親友で
居留地三号の二番館に居る同国人が今年未だ四十四五だのに白髪だらけで毎も自分で染粉....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
の西洋館によって外国というものを夢見さされていたものである。ロンドンや巴里はこの
居留地のような処だとも思っていた。ところでだんだん、どうやらそうでもないらしく思....
「銀座は昔からハイカラな所」より 著者:淡島寒月
来の物を売る店があったということは、横浜から新橋へ汽車の便のあったことと、築地に
居留地のあったためと、もう一つは家屋の構造が例の煉瓦で舶来品を売るのに相当してい....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
感情と云うべきであろう。 駕籠と馬とはゆるゆると出島の方へ進んで行く。 蘭人
居留地があらわれた。駕籠はそっちへ進んで行く。 こうして鉄門と鉄柵とで厳重によ....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
にする。 諸君は、荒川放水路をくだって行った海沿いの一角に、以前から、「洲蘆の
居留地」と呼ばれる、出島があるのを御存知であろう。そこは、杭が多く海流が狭められ....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
公園へ向かって走るのである。 黄浦河とそして呉松江とが、相合流する一角に、
居留地の公園は立っていた。北と東が水に臨み、西が英租界に向いている。水に向かった....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
は意外にもエキゾチックなところが少くて、一番異国的なのは、大浦天主堂の裏手の丘の
居留地、緑につつまれた古風な洋館地帯だけでしょうかね。オランダ坂というのは、たぶ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
屋根やガラスに被害をうけたが、焼けることなく昔日の姿にかえっているのだが、むかし
居留地だった洋館地帯をのぞけば、むしろ戦災をうけないための汚らしさの方が、今日に....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
かな冴えた声で呼び交すのが、空気を漉して井戸の水も澄ますように。それに居まわりが
居留地で、寂として静かだから、海まで響いて、音楽の神が棲む奥山から谺でも返しそう....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
船に乗っていた。 もちろん横浜は私にとって初めての土地である。波止場にあがって
居留地を抜けその豪勢なのにびっくりした。都会の騒音、めまぐるしい人の行き来の中へ....