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居睡
「居睡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
居睡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
》っている。これは僕の家ばかりではない。どの家の門口にも二三人ずつは必ずまた誰か
居睡《いねむ》りをしている。こういう平和に満ちた景色は世界のどこにも見られないで....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
の甲野ばかりだった。甲野は玄鶴の枕《まくら》もとに赤あかと火の起った火鉢を抱え、
居睡《いねむ》りもせずに坐っていた。玄鶴は、――玄鶴も時々は目を醒《さ》ましてい....
「母」より 著者:芥川竜之介
歩み出ると、眩《まぶ》しそうにやや眼を細めた。
「ええ、こうやって居りましても、
居睡《いねむ》りが出るくらいでございますわ。」
二人の母は佇《たたず》んだまま....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
鶯茶《うぐいすちゃ》がかった腰掛と、同じ色の窓帷《カアテン》と、そうしてその間に
居睡《いねむ》りをしている、山のような白頭の肥大漢と、――ああその堂々たる相貌に....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
れた相手が悪い。丹波《たんば》の少将|成経《なりつね》などは、ふさいでいなければ
居睡《いねむ》りをしていた。」
「成経様は御年若でもあり、父君の御不運を御思いに....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
いはい》を持ち、僕はその後ろに香炉を持ち二人とも人力車に乗って行った。僕は時々|
居睡《いねむ》りをし、はっと思って目を醒《さ》ます拍子に危く香炉を落しそうにする....
「運」より 著者:芥川竜之介
たのと云っている中《うち》に、幸い、年の加減《かげん》か、この婆さんが、そろそろ
居睡《いねむ》りをはじめました。一つは娘の返答が、はかばかしくなかったせいもある....
「或る女」より 著者:有島武郎
、夜通し貞世の寝台のわきに付き添って、睡《ねむ》くなるとそうしたままでうとうとと
居睡《いねむ》りしながら過ごして来た葉子も、思いのほか頭の中が軽くなっていた。貞....
「軍用鮫」より 著者:海野十三
、ぐっと呼いよせられたことであった。 その「軍用鼠」なる小説は、結局全体として
居睡り半分に書いたような支離滅裂なものであったけれど、なにか指摘してある科学的ヒ....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
。……そのくせ、他愛のないもので、陽気がよくて、お腹がくちいと、うとうととなって
居睡をする。……さあさあ一きり露台へ出ようか、で、塀の上から、揃ってもの干へ出た....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
りにいったとかで、母が一人大きな家に留守居していた。日あたりのよい奥のえん側に、
居睡りもしないで一心にほぐしものをやっていられる。省作は表口からは上がらないで、....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
ているんだえ? ほんとうにお前位、ずうずうしい女はありゃしないよ。きっと又台所で
居睡りか何かしていたんだろう?」 恵蓮はいくら叱られても、じっと俯向いたまま黙....
「多神教」より 著者:泉鏡花
の。……艶々と媚めいた婦じゃが、ええ、驚かしおった、おのれ! しかも、のうのうと
居睡りくさって、何処に、馬の通るを知らぬ婦があるものか、野放図な奴めが。――いや....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
姉めも、病身じゃによって、)と蜘蛛の巣だらけの煤け行燈にしょんぼりして、突伏して
居睡る小児の蚊を追いながら、打語る。……と御坊は縁起で云うのですが。 ――場所....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
猫が、いつでも二葉亭の膝の廻りを離れなかったものだ。東片町時代には大分|老耄して
居睡ばかりしていたが、この婆さん猫が時々二葉亭の膝へ這上って甘垂れ声をして倦怠そ....