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「屑籠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

屑籠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
広津氏に答う」より 著者:有島武郎
りうる時節が来たならば、この縷説《るせつ》は鶏肋《けいろく》にも値せぬものとして屑籠《くずかご》にでも投じ終わろう。....
星座」より 著者:有島武郎
べてのことを知らせるのはあとからにしよう、そう思いながら園は星野への葉書を破って屑籠に抛《ほう》りこんだ。 隣の部屋では人見たちが盛んに笑いながら大きな声で議....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ちんと片付いて、小綺麗に住んでいるらしく見えた。台所へ出ると、柱には細長い竹の紙屑籠が掛けてあった。 「おい。この紙屑はこのごろ売ったかえ」 「屑屋さんは先月の....
麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
で、星尾さんの背後にまわって、その綿を盗んでやりました。その綿はクルクルに丸めて屑籠に捨ててしまいましたけれど、探せば見付かるでしょう」 その脱脂綿は果して屑....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
以上。川口町防空隊長、網島少尉」 司令官は、紙片を、掌のうちに握り潰すとポイと屑籠の中に、投げ入れた。 「閣下」参謀長が、やや気色ばんで、問いかけた。「唯今の....
食魔」より 著者:岡本かの子
げよと、目まぜをする。妹は知らん顔をしている。 若い料理教師は、煙草の喫い殻を屑籠の中に投げ込み立上って来た。じろりと台俎板の上を見亙す。これはいらんという道....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
たが、やがて吸取紙で押取ってピリピリと二つに裂くと、クルクルと丸めてポンと足許の屑籠へ拠り込んだ。 彼は呼鈴を押した。 ミシ/\と岸本が上って来た。 「先生....
独本土上陸作戦」より 著者:海野十三
一時まで、通計五時間……」 将軍は、苦り切って、その報告で洟をちんとかむと、紙屑籠へ投げこんだ。 「金博士は、地酒窟ランタンに現れ、午後十一時十五分……」 ....
軍用鼠」より 著者:海野十三
かない。 彼は折角書いた原稿用紙を鷲づかみにすると、べりべりと破いて、机の下の屑籠のなかにポイと捨てた。始めからまた出直しの已むなき仕儀とはなった。しかし彼は....
諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
欲しがって、例の覗眼鏡の軍艦の下を張る反古がなかった処、魯文さんが自分の草稿|一屑籠持って来て、その代りに欲しがっていたゴム枕を父があげた事を覚えています。ツマ....
幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
から向うへ行って一人でお遊び」 彼は子供を推しのけながら、紙を丸めて力任せに紙屑籠の中に抛り込んだ。 彼は子供にも、フイと飽き足らなくなったが、重ねてまた振....
次郎物語」より 著者:下村湖人
かれはその封筒を、手紙ごとめりめりと裂き、もみくちゃにし、さらにすたずたに裂いて屑籠に投げこんだ。 それからまた、便箋を前にして、じっとどこかを見つめていたが....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
ちで剥いて、御飯に焚ておくれ」と御機嫌です。 その間にも、よく鼻をおかみで、紙屑籠はじきに一杯です。「年寄は皆鼻をかむものだが、私の洟のひどく濃いのは、脳味噌....
銀座の朝」より 著者:岡本綺堂
がりたる西瓜の皮をいくたびか見返りつつ行過ぎし後、とある小ぐらき路次の奥より、紙屑籠背負いたる十二、三の小僧が鷹のようなる眼を光らせて衝と出でぬ、罪のかげはこの....
蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
机の上に俯伏したまま、冷たくなっている文夫さんが発見されたのは。 机の右側の紙屑籠の中から見出された注射器と、空になったアンプレの四五本と、左の手首に赤くはれ....