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展性
「展性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
展性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
もう帰るの……?」 「京都見物……? 田村で十分。焼けない都会なんていうおよそ発
展性のない所を見物したってくだらないわよ」 「ご挨拶ね」 「うふふ……。それに、....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
そのための実際の計画を考顧しなかったなら、矢張りこの四五人の、それだけで少しも発
展性のない、独《ひと》り角力《ずもう》に終ってしまうのだ。――ところが、実際には....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
考えは一応いいのだが、さて書いて行くと、自然、イージーゴーイングになって、筋の発
展性に乏しく、テンポに精彩が欠けてくるため、失敗となったことが少くなかった。今度....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
に、正確な配列をしているにすぎない。そうだ、まさに正確無類だよ。だから、独創も発
展性も糞もない。第一、ああいう文学に感覚を持てない女に、どうして、非凡な犯罪を計....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
完全であることが欠点となった。あまりに完成せるものは、完成せるが故に、それ以上発
展性がないとの理由から。 「こゝは、津浦線の界首駅から真一文字だ。まず、こゝへ、....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
である。この運動は物質の歴史的発展の過程から生じて来る。そこで物質のこの歴史的発
展性こそが実は、物質の弁証法だったのである。実際、如何なる運動と雖も時間――それ....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
もし夫が非唯物弁証法的なものであるならばマルクス主義的なものにまでたたき直して進
展性を付与しなければならないし、又もしそれがすでにマルクス主義的範疇であるならば....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
のような延展力を与えることに苦心している。飴というものは引っ張れば引っぱる程、延
展性を増すものだ。で、まず犯人は不定期刑を課せられる。この不定期刑にくぎりを付け....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
克己自制――これがいずれの時代に於ても、聖人君子に附きものの美徳であった。苟も進
展性にとめる真理の祖述者は、昔から最も少なく自己を考え、最も多く自己の仕事を考え....
「文学の曇天」より 著者:豊島与志雄
ば、問題は簡単になると共に深刻になる。また、文学者の率直赤裸な意識に、或る種の進
展性と飛躍性とを認むるならば、問題はわりに手近なものとなると共に複雑になる。だが....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
こは使われている者の気持を汲んでやらねばならない。むやみに長時間コキ使うことは発
展性のある真面目な社員を逃がして要領のいい人間しか集め得ないで、大局的に非常な不....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
へ精神的拠り所を求めることによって肉体をはなれてしまうと、にわかに近代小説への発
展性を喪失したのも、この野心的作家の出発が志賀直哉にはじまり、志賀直哉以前の肉体....
「中毒」より 著者:織田作之助
して行く代りに、寝床の中で煙草をくゆらしながら、不景気な顔をして、無味乾燥な、発
展性のない自分の人生について、とりとめのない考えに耽っているのである。 そして....
「書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
いつも願っているが、前述のような事情で失望しがちである。だがこの形式は将来十分発
展性のあるものと考える。愛書家も徒に華装ばかりを尊重したがらずに、こうした所に平....
「文芸は進化するか、その他」より 著者:平林初之輔
密接な関係において呱々《ここ》の声を上げたということは、この芸術の将来の無限の発
展性を約束しているように思われる。文学は映画から学ぶ多くのものをもっているが、映....