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「展望車〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

展望車の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
南路」より 著者:宮本百合子
だけの場所がある。―― 我々は、ちらほら人のいる幾つもの車室を抜けて、最後尾の展望車に行って見た。 デックに立って見ると、ちょうど、改札口が目の前にある。木....
人間レコード」より 著者:夢野久作
タに吸い付いていた真赤な三日月をヤット地平線上に振り離したばかりのところである。展望車に接近した特別貸切室の扉の前に、二十二三ぐらいのスマートな青年ボーイが突立....
鼻の表現」より 著者:夢野久作
いまわる舞姫の鼻の表現のわびしさは、絶対に拭い除ける事の出来ないものでしょうか。展望車の安楽椅子に金口を輪に吹く紳士の鼻の淋しさは、何とも包む術はないものでしょ....
旅愁」より 著者:横光利一
その夜はつづいた睡眠の不足で矢代はすぐ眠くなったが、寝台を取り忘れていたので、展望車の椅子にそのままうとうとした。彼の横にマニラから帰って来た青年が二人、十年....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
「安東」 税関。鉄橋。驟雨。日光。 「奉天まで」 ゆるいカアキイ色の起伏。展望車に絵葉書がおいてある。唐獅子の画に註して曰く。「現今民国有識階級ニ於テハ華....
隧道内の怪火」より 著者:田中貢太郎
の夏の夜のことであった。新らしく乗りこんだ一人の車掌が、熱くてしかたがないので、展望車のデッキに出て涼んでいると、何かしら冷たいものが背筋を這うたような気がした....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
からだ。 朝九時ツバメにのる。同行する筈の檀君は仕事がおくれて不参。私の座席は展望車であるから考えごとには不向きであったが、檀君の席があいていたので、助かった....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
旅行を行なった。 演習第一日は車中で研究を行ない長春に着いた。車中で研究のため展望車の特別室を借用することについて、満鉄嘱託将校に少なからぬ御迷惑をかけたこと....