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「履歴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

履歴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
の早い藤田大佐はたちまち保吉の先まわりをした。 「弔辞を作られる参考には、後ほど履歴書《りれきしょ》をおとどけしましょう。」 「しかしどう云う人だったでしょう?....
高野聖」より 著者:泉鏡花
ぬけ》て余り大きいからちょっとは気がつかぬであった、何の畠《はたけ》でも、どんな履歴《りれき》のある沼《ぬま》でも、このくらいな蛭はあろうとは思われぬ。 肱を....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
はいると、飛びついて就職案内欄を見た。質札を売りに来る客と応待する合間を盗んで、履歴書を書いた。楷書の字が拙かったので、一通書くのに十枚も反古が出来た。十通ばか....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
葉のかげに入墨の痕がかくされているのが確かに判った。新兵衛はその過去の犯罪の暗い履歴をもっていて、その腕の刺青は入墨を隠すためであることもすぐに覚られた。彼はそ....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ら昨日久しぶりで尋ねてくれて、色々のむかし話をしました。その人にはこういう変った履歴があるのです。まあ、お聴きなさい。」 わたくしはもうその年月を忘れてしまっ....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
、その差しだす軍隊手帳を見ると、読み書きはできる、ラッパ手、上等兵とあって、その履歴には、ほとんど植民地ばかりに、あすこに二年ここに三年というように、十八年間勤....
」より 著者:織田作之助
したつもりでいたのだ。 豹一は毎朝新聞がはいると、飛びついて就職案内欄を見た。履歴書を十通ばかり書いたが、面会の通知の来たのは一つだけで、それは江戸堀にある三....
天衣無縫」より 著者:織田作之助
出だということも社長のお眼鏡に適ったらしいんだが、なに、奴さん大学は中途退学で、履歴書をごまかして書いたんですよ。いまじゃ社長の女婿だというんで、工場長というの....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
その姫神の縁起に逢った。私は、直ぐに先祖の系図を見る真剣さと、うまれぬさきの世の履歴を読む好奇心と、いや、それよりも、恋人にめぐり逢う道しるべの地図を見る心の時....
甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
観察を下し、かつ適当なる試験を行わざるべからずと思惟し、まず杉本氏につきて同女の履歴をたずねしに、彼女はその名を「とく」といい、同国都留郡小形山の産にして、早く....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
終にデッサンたるを免がれない。勿論二葉亭の文学や事業を批評したのではなく、いわば履歴書に註釈加えたに過ぎないので、平板なる記実にもし幾分たりとも故人の人物を想到....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の中から出来たというので、ペッマ・チュンネという名が付いて居るのですが、この人の履歴については怪しい想像的の事ばかりで、捉える所がごく少ないです。古代の神話より....
活人形」より 著者:泉鏡花
、心配のありそうな、身分のある人が落魄たらしい、こういう顔色の男には、得て奇妙な履歴があるものです。と謂いつつ、手にせる写真を打返して、頻りに視めていたりけり。....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
行、信心これなり。この三点は、教正の方にてその従来経歴ある学校の卒業証、勤惰表、履歴書、その他臨時の試験等によりて審定して、その可なるものはまず試補に命じ、つぎ....
私の履歴」より 著者:井上貞治郎
たのだが、これが私たちが名づけた三盛舎の工場というわけである。私は二十九歳、この履歴書の最初で書いたように、稲荷おろしの「紙の仕事は立板に水じゃ」のことばもあっ....