山の幸[語句情報] »
山の幸
「山の幸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
山の幸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
力を得て二つの山の岳神となり得たとき総ては解決されるとまた思っていた。山の生活、
山の幸福、そこに何一つ充ち足らわぬものがあろうか。命終せんとして雲に化し巌《いわ....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
うしろ形も、罎と鎌で調子を取って、大手を振った、おのずから意気の揚々とした処は、
山の幸を得た誇を示す。……籠に、あの、ばさばさ群った葉の中に、鯰のような、小鮒の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ないよ、事実、三州からこっちの方へかけては、大きな凧が流行《はや》っているし、岡
山の幸吉ゆずりの工夫者もいるという話だからなあ」
「ですけれど、凧に乗って、金の....
「乾杯」より 著者:豊島与志雄
、酒を飲みました。そして父の死後五十日目、突然、自宅でささやかな宴を催しました。
山の幸、野の幸、海の幸と言えば大袈裟ですが、街頭に栄えた闇市場で普通に手に入る材....
「温浴」より 著者:坂口安吾
と云うわけにはいかない。 よそは住宅難だが、伊東には売家も貸家も多い。伊東は海
山の幸にめぐまれて食糧事情がよかったが、東京も食糧事情がよくなったので、不便を忍....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
にはね――」 と、先生は次郎の頭から手をはずして、ゆっくり言葉をついだ。 「沢
山の幸福にめぐまれながら、たった一つの不幸のために、自分を非常に不幸な人間だと思....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
物がないからという彼の偏見は頑強であった。使いの者は一晩山の小屋に泊ったあげく、
山の幸のモテナシに降参して、逃げて帰った。 そこで多茂平という町内の世話役の旦....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
」だ。天覧山という飯能の名所の地にあるのである。 私はそこへ到着して、もっぱら
山の幸を供する料理屋であるときいて、さては例の芋虫のウチだなと思いだした。 今....
「魔味洗心」より 著者:佐藤垢石
味、実に賞すべきものがあったであろう。 わが上州には、おいしい産物が数々ある。
山の幸、野の幸、水の幸、とりどりである。私は利根川の鱒の味を、わが上州のおいしい....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
友あり遠方から来る愉しからずや……と支那の古人は言った。そうしてあり合わせの魚や
山の幸をさし出して心からもてなした。 ご馳走というものは必ずしも山海の珍味を卓....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
、吉原で派手をした、またそれがための没落ですが、従って家郷奥能登の田野の豊熟、海
山の幸を話すにも、その「入船帳」だけは見せなかった。もうその頃から、「大船を一艘....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
掛けた後姿が見えて、市松大柄な年増は、半身を根笹に、崖へ下りかかる……見附かった
山の幸に興じたものであろう。秋の山は静に、その人たちの袖摺れに、草のさらさらと鳴....
「アイヌ宗教成立の史的背景」より 著者:知里真志保
って山狩の季節なのであります。それでその季節の初めに、盛大な祭を行って、山の神に
山の幸を授けてくれるように祈るのが、この熊祭の本来の意義だったのであります。すな....
「特殊部落と寺院」より 著者:喜田貞吉
通していたかの如く想像されやすいけれども、実際祖先以来の風習をそのまま保存して、
山の幸海の幸に生活し、殺生を悪事とせず、肉食を汚穢としなかった屠者とか、猟師とか....
「来り人の地位と職業」より 著者:喜田貞吉
山の幸、海の幸にのみ活きておった太古の状態から、次第に進んで世の中の秩序も整頓し....