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山中
「山中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
山中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
ら、彼に「見ろ」と云う手真似《てまね》をする。
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月の光を受けた
山中の風景。この風景はおのずから「磯ぎんちゃく」の充満した、嶮《けわ》しい岩むら....
「星座」より 著者:有島武郎
ようとはしない。
札幌のような静かな処に比べてさえ、七里|隔《へだ》たったこの
山中は滅入《めい》るほど淋しいものだった。ことに日の暮には。千歳川の川音だけが淙....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
川理紀之助翁の遺跡を訪ねて、無限の感にうたれた。翁は十年の長い年月、草木谷という
山中の四畳半ぐらいの草屋に単身起居し、その後、後嗣の死に遇い、やむなく家に帰った....
「春昼」より 著者:泉鏡花
繙く、それ露が滴るように婀娜なと言うて、水道の水で洗い髪ではござらぬ。人跡絶えた
山中の温泉に、唯一人雪の膚を泳がせて、丈に余る黒髪を絞るとかの、それに肖まして。....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
門内にも咲いていた。麓から上ろうとする坂の下の取着の処にも一本見事なのがあって、
山中心得の条々を記した禁札と一所に、たしか「浅葱桜」という札が建っていた。けれど....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
は直ぐに縁側の、戸棚の横が満月|形に庭に望んだ丸窓で、嵌込の戸を開けると、葉山繁
山中空へ波をかさねて見えるのが、今は焼けたが故郷の家の、書院の構えにそっくりで、....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
八 「年は三十七です。私は逓信省に勤めた小官吏です。この度飛騨の国の
山中、一小寒村の郵便局に電信の技手となって赴任する第一の午前。」 と俯向いて探....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
ざいますが。 ええ……温泉でございますか、名は体をあらわすとか言います、とんだ
山中で、……狼温泉――」 「ああ、どこか、三峰山の近所ですか。」 と、かつて....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
もなって、跣足で西京の本願寺へ詣でるのが、この辺りの信者に多いので、これは飛騨の
山中あたりから出て来たのが、富山に一泊して、朝がけに、これから加州を指して行くの....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
『実を申すと俺はこの八幡宮よりももっと古く、元はここからさして遠くもない、とある
山中に住んで居たのじゃ。然るにある年八幡宮がこの鶴岡に勧請されるにつけ、その神木....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
とも分かず、口の裡で、何とも知らず、覚えただけの経文を呟き呟き、鶯谷から、上野の
山中を※って歩行いた果が、夜ふけに、清水の舞台に上った。そうして、朱の扉の端に片....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
この句が、 石山の石より白し秋の風 となっている。そうして、同じ那谷に同行した
山中温泉の少年|粂之助、新に弟子になって、桃妖と称したのに対しての吟らしい。 湯....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
一 米と塩とは尼君が市に出で行きたまうとて、庵に残したまいたれば、摩耶も予も餓うることなかるべし。もとより
山中の孤家なり。甘きものも酢きものも摩耶は欲しからずという、予もまた同じきなり。....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
ついては屡々私は一人の案内者を伴うことがある。案内者の名を仮に粂吉と呼ぶ。幾春秋
山中の日に焦かれた彼の顔は赤銅色を呈している。翁の面のようにも見える。長い眉毛が....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
にあった墺軍陣地に迫り、これを力攻する事なく、一部をもって敵の側背を攻撃せしめて
山中に圧迫、更に十月九日シュワイドニッツを攻略、ザクセンに向い、ドレスデンは依然....