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山家
「山家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
山家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
に縁があると、これがために気が勇んで、ええやっと今|一揉《ひともみ》。
一軒の
山家《やまが》の前へ来たのには、さまで難儀《なんぎ》は感じなかった。夏のことで戸....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
》を、後《のち》に思えば鬼であろう。 台所の灯《ともしび》は、遙《はるか》に奥
山家《おくやまが》の孤家《ひとつや》の如くに点《とも》れている。 トその壁の上....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
―お澄が来た。「何もございませんけれど、」と、いや、それどころか、瓜の奈良漬。「
山家ですわね。」と胡桃の砂糖煮。台十能に火を持って来たのを、ここの火鉢と、もう一....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
だから二つ三つと思う弱々しい女の子で、かさかさと衣ものの膝ずれがする。菌の領した
山家である。舞台は、山伏の気が籠って、寂としている。ト、今まで、誰一人ほとんど跫....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
奴も、聞く奴だが、 「早うて、……来月の今頃だあねえ。」 「成程。」 まったく
山家はのん気だ。つい目と鼻のさきには、化粧煉瓦で、露台と言うのが建っている。別館....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
のであった。 「そして貴僧は、」 「これは申後れました、私は信州松本の在、至って
山家ものでございます。」 「それじゃ、二人で、海山のお物語が出来ますね。」 と....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
まとめに持って行くのです。 感ずる仔細がありまして、私は望んで僻境孤立の、奥|
山家の電信技手に転任されたのです。この職務は、人間の生活に暗号を与えるのです。一....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
天井に釣した蕃椒の方が、燈よりは真赤に目に立つてッた、皺びた店で、榾同然の鰊に、
山家|片鄙はお極りの石斑魚の煮浸、衣川で噛しばった武蔵坊弁慶の奥歯のようなやつを....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
吹荒んで、戸障子を煽つ、柱を揺ぶる、屋根を鳴らす、物干棹を刎飛ばす――荒磯や、奥
山家、都会離れた国々では、もっとも熊を射た、鯨を突いた、祟りの吹雪に戸を鎖して、....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
染次が云う。……通された八畳は、燈も明し、ぱっとして畳も青い。床には花も活って。
山家を出たような俊吉の目には、博覧会の茶座敷を見るがごとく感じられた。が、入る時....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
に進ぜさした、振出しの、有平、金米糖でさえ、その可愛らしいお口よごしじゃろうに、
山家在所の椎の実一つ、こんなもの。」 と、へぎ盆も有合さず、菜漬づかいの、小皿....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
を書くのでございます。生家は畠山と言って、大そう由緒ある家柄でございます。その畠
山家の主人と私の父とが日頃別懇にしていた関係から、私と敦子さまとの間も自然親しか....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
貴婦人、簾中のように称えられたのが名にしおう中の河内の山裾なる虎杖の里に、寂しく
山家住居をしているのですから。この大雪の中に。 二 流るる水とと....
「多神教」より 著者:泉鏡花
。 この言葉のうち、神楽の面々、踊の手を休め、従って囃子静まる。一連皆|素朴なる
山家人、装束をつけず、面のみなり。――落葉散りしき、尾花むら生いたる中に、道化の....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
たま散策には少し寒いが晩秋の月のいい日に香椎の山で会が持たれて、一同は久作さんの
山家で気勢を上げたそうである。飲む程に喋舌る程に、熱を上げ、降りしきる虫の声も眠....