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山月
「山月〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
山月の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浮浪漫語」より 著者:辻潤
当りバッタリでなければ浮浪の法悦は味わえない。いわば、「身軽片片溪雲影。心朗瑩瑩
山月光。馬麥因縁支命足」というような境地にならなければ駄目らしい。そして、更に「....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
束ない火が小屋にともれ、一方の古墳新墳累々と立並ぶ墓場の砂地には、初夏の頃から沢
山月見草が咲いた。日間通る時、彼は毎に赭くうな垂れた昨宵の花の死骸を見た。学校の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
抜けて彼方《かなた》の立木を後ろに平青眼。 げに夜深《よふか》くして猛虎の声に
山月の高き島田の気合に、さしも新徴組の荒武者が五体ピリピリと麻痺《まひ》します。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
あそうでした、あの尺八の音のするあたりがちょうど、不破の関に当りましょう」 「関
山月《かんざんげつ》を吹いていますね」 「はい……」 お銀様は、その返答だけが....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れに詩を吟じましょう、今のその渝州《ゆしゅう》に下るを一つ……」 峨眉《がび》
山月、半輪ノ秋 影ハ平羌《へいきやう》、江水ニ入《い》ツテ流ル 夜、清渓ヲ発シテ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
即興図に、玉蕉女史は心得たりとあって、さらさらと次の絶句を走らせる。 高閣崚※
山月開(高閣|崚※《りょうそう》として
山月開く) 倒懸清影落江隈(倒《さかし》ま....
「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」より 著者:ホーソーンナサニエル
がら、みんなはさっきから山を下りはじめていたが、もう森の蔭へ来た。プリムロウズは
山月桂樹の枝を少し取ったが、その葉は去年の葉だのに、霜や雪解《ゆきどけ》が交代で....
「父の形見」より 著者:豊島与志雄
れから中声で詩を吟じた。 霜満軍営秋気清……云々 鞭声粛粛夜過河……云々 蛾眉
山月半輪秋……云々 月落烏啼霜満天……云々 高原弔古古墳前……云々 そんな詩....
「水鳥亭」より 著者:坂口安吾
である。 「ウム。水鳥亭。これがいい」 山の端に半月がかかっていた。 「水鳥亭
山月。ウム。これだ」 そこで、竹をきり、ナイフで文字をほりこんで、表札をつくっ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
りだしそうな姿勢になった。みんなは急にしんとなって、片唾をのんだ。 「猛虎一声、
山月高し――」 朗々たる詩吟の声が流れた。ところが、詩吟はそれっきりで、そのあ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、そこの家を繞っているきれいな流れの側に坐りこみ、ざぶざぶと脛の泥を洗っていた。
山月庵。
茅葺きの合掌に、木額の白い文字が仰がれる。燕の子が、そこらに白い糞を....
「三国志」より 著者:吉川英治
いう策略です」 「二虎競食の計とは」 「たとえば、ここに二匹の猛虎が、おのおの、
山月にうそぶいて風雲を待っていると仮定しましょう。二虎、ともに飢えています。よっ....