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「山男〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

山男の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
せんや。 この書、はじめをその地勢に起し、神の始、里の神、家の神等より、天狗、山男、山女、塚と森、魂の行方、まぼろし、雪女。河童、猿、狼、熊、狐の類より、昔々....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
顔馴染の近常さん。抱いて戻って、介抱をしたあとを、里へ……人橋かけるじゃあなし、山男そっくりの力ですから、裸おんぶであっためながら、家へお送りはしたそうですが、....
春の槍から帰って」より 著者:板倉勝宣
う。木をどんどんきってもらって、われらは寝床の用意と飯の用意をすればいい。だから山男ばかりでない時には、人夫が二人は入用である。仕事にかかる前にパンを一かじりし....
北斗帖」より 著者:違星北斗
らは窮屈に覚ゆ ネクタイを結ぶと覗くその顔を 鏡はやはりアイヌと云えり 我ながら山男なる面を撫で 鏡を伏せて苦笑するなり 洋服の姿になるも悲しけれ あの世の母に....
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
反対がジキに出るだろうと思います。私は覚えております。明治十六年に初めて札幌から山男になって東京に出てきました。その時分に東京には奇体《きたい》な現象があって、....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
に四つん這いの生活を断行し、山泉を呑み、草木の芽や葉を喰べて五年の後、遂に頑丈の山男となって人家に帰って来た事実談を私は聴きました。 以上私は長々と述べました....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
をして言い聞かせれば、大抵のことは呑み込んで指図通りに働くのである。ある地方では山男といい、ある地方では山猿という、いずれも同じたぐいであろう。 その黒ん坊と....
人狼」より 著者:岡本綺堂
はあの山に天狗が出ると云って、大騒ぎをしたことがありましたな。 おつぎ それから山男が出て来て、子どもを攫って行ったこともありました。 善助 むむ。天狗の出たこ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「ねえ、まったく困るだろう」と、半七は笑いながら云った。「あんな仙人だか乞食だか山男だか判らねえお客様に舞い込まれちゃあ、まったく家の者泣かせよ。あの人はなんだ....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
方が可いよ。」 「成ほど不思議ですな。」と、市郎も何だか夢のように感じた。天狗や山男や、そんなものは未開時代の昔語と一図に信じていた彼の耳には、此話が余りに新し....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
わらずの僕さ」 「いや違う。まえには、もっと剛毅不屈なダネックだったね。それが、山男のくせに女の尻を追いまわす。それも白痴《ばか》のケティとは、呆れたもんだと思....
梨の実」より 著者:小山内薫
の直ぐ癒る膏薬を売っている店があります。見世物には猿芝居、山雀の曲芸、ろくろ首、山男、地獄極楽のからくりなどという、もうこの頃ではたんと見られないものが軒を列べ....
月世界競争探検」より 著者:押川春浪
る方へは、嬢の一身を托せらるべしと嬢に申込みたる二人の青年紳士あり。その一人は秋山男爵にして、一人は博士の遠縁に当る雲井文彦という青年紳士なるが、いずれも博士が....
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
、一行を見送りつついつまでも口を尖《とが》らしている。こっちがケチなのではない。山男のくせに欲張るからとんだ罵倒《ばとう》を受けたのだ。 (八)盆踊り見....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
立木を相手にひとり木剣を振うている内に三年がたち、アバタの穴が髭にかくれるほどの山男になってしまった。 ところが、ある夜更け、打ち込んだ檜の大木がすっと遠のい....