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山程
「山程〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
山程の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「姪子」より 著者:伊藤左千夫
もまだつい此間の事のようで、其大人ぶった挨拶が可笑しい位だった、其内利助も朝草を
山程刈って帰ってきた、さっぱりとした麻の葉の座蒲団を影の映るような、カラ縁に敷い....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
訓練するのだと思った。そんな風にお前が私と没交渉な愚かなことをしている間は、縦令
山程の仕事をし遂げようとも、お前自身は寸分の生長をもなし得てはいないのだ。そして....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
豪家、御旗本やら、御用達《ごようたし》、――肩で風を切る、勢いで、倉には黄金は、
山程積んであろうところから、気随気儘《きずいきまま》に大金を掴み出し、今日の生計....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
面《かお》を見て何だか言う。言う事は能《よ》く解らなかったが、側《そば》に焼芋が
山程盆に載っていたから、夫で察して、礼を言って、一寸《ちょっと》躊躇したが、思切....
「お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
達もなくて、心の人と異った伯母に世話をされて居た。世間知らずで有るべき年の※子は
山程積んで目を覚すとから眠るまで読んで居た非常に沢山のお話で、継母の辛さ、又は他....
「虎狩」より 著者:中島敦
の間から星が鮮かに光っている。こうした山道が凡《およ》そ三時間も続いたろうか。小
山程の大きな巌の根を一廻りして、もう可成《かなり》疲れた私達は、其《そ》の時、林....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
た。 「お前は長男だ。商売を止めると言っても容易ではない。得意先もあるし、品物も
山程あるし」 「商売は姉さんにやって貰って下さい」 「お前は何になるのだ」 「僕....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
尾道へ行く事だろう。あゝあの海、あの家、あの人……お父さんや、お母さんは、借金が
山程あるんだから、どんな事があっても、尾道へは行かぬように、と云ったけど、少女時....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
章で、勲二等から八等ぐらいまで。ナンバーワンが勲二等をもらったそうだね。古物屋に
山程売りにでていて、勲二等でも四百円ぐらいだそうだ。一山買ってきて有効適切に用い....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
でも、ズデンドウの確実無比なのが手にとる如くに分るものだ。あの図体のバカ力は羽黒
山程度でどうにかツリアイがとれるかも知れんが、彼といえども自転車に乗ッかッとれば....
「日記」より 著者:宮本百合子
に何かがはさまった様に肉が飛び出て居る。 気がふさいで、仕なければならない事が
山程あってもするのがいやである。明日帰りに又榎本さんへ行かずばなるまい。 いそ....
「おせん」より 著者:邦枝完二
ねえ。世間の奴らが変ってるんだ。それが証拠にゃ。願にかけておせんの茶屋へ通う客は
山程あっても、爪を切るおせんのかたちを、一|度だって見た男は、おそらく一人もなか....
「春風遍し」より 著者:小川未明
本家というものを仮借なく敵視した時代もあったが、これ等の欲深者も死ぬ時には枕許に
山程の財宝を積みながら、身には僅かに一枚の経帷衣をつけて行くに過ぎざるのを考える....