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「山積〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

山積の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
不思議な島」より 著者:芥川竜之介
》したとも云われるくらいです。」 僕「あの伽藍《がらん》の祭壇の前にも野菜が沢山積んでありましたが、……」 老人「あれはみんな牲《にえ》ですよ。サッサンラッ....
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
実験から得た心身強健法とで、漸《ようや》く病気の全快したばかりのところへ、要務が山積しているので、実は徒歩発足地の水戸まで一行を見送り、そこで御免を蒙《こうむ》....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
捜査課長室から動き出そうとしなかった。事件に関係のありそうな「謎」は後から後へと山積したものの、これ等を解くべき「鍵」らしいものは一向に見当らないのだった。 ....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
邸宅に見るような花紋の浮彫りがしてあり、古代ギリシヤ型の簡素な時計が一個、書籍を山積した大デスクの上壁に、ボタンで留めたようにペッタリと掛っている。その他に装飾....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
ツブツ云った。 コック部屋の隅には、粗末に食い散らされた空の蟹罐詰やビール瓶が山積みに積まさっていた。朝になると、それを運んで歩いたボーイ自身でさえ、よくこん....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
に投り出されていた。 一方の片隅には肩掛や膝掛が焼焦だらけ水だらけになって一と山積んであった。中には自働車や馬車に乗る貴夫人の肩や膝に纏わるべき美しい織物もあ....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
。その怪談に怯《おび》やかされてわが五百万の都民は枕を高うして睡《ねむ》れないと山積する投書だ。あれあの籠《かご》を見たまえ」と課長は、二つ三つ向こうの部下の机....
人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
もちろん、その首の下には完全な胴や手足がついていたわけで、彼らは、きょときょとと山積された人造人間に、怪訝な目を光らせていた。 4 「おい、たいへん、....
空襲下の日本」より 著者:海野十三
てしまうだろうよ」 「敵の大将のような憎らしい口を利くのね。その爆弾は、よほど沢山積んでくるの」 「千キロや二千キロ積んでいるのは、沢山あるよ。最も怖るべきは焼....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
ばしき現象とは思えない。 一九三〇年型の自動車の出現は去年のぼろ自動車を広場へ山積せしめるであろう如く、即ち近代の洋画家はその場限りの技法の華々しき効果をのみ....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
世界の文明国の人類が、一つ一つ、甚だしい必要に迫られ頭脳から絞り出された部分品が山積し、改められ、手古摺らされ、構成されつつ延び上ったところの大彫刻である。だか....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
だけで打ち切って、僕によく考えさせて呉れ給え」 そうして、事件の第一日は、謎の山積の儘で終ってしまったが、果して熊城は、柳江・喬村・朔郎の三名を拘引したのだっ....
幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
み、それをもって、その時、私は、鉄路のほとりに会いたい気持で一ぱい、大事な仕事が山積のようにあるのにかかわらず、大阪へ行ったのです。よく行く喫茶店へゆきました。....
久坂葉子の誕生と死亡」より 著者:久坂葉子
。けれど、その前者はつぶれ、後者は、あほらしくなり、書いたものは、どこにも出さず山積時代が、三カ月程つづいていた。ところで、その友人が、私をあわれだとみたのか、....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
のまま死ぬより外はあるまい。仏法修行のためにこの国に進入して来た目的も達せずに高山積雪の中に埋れて死ぬというのも因縁であろう。仏法修行のため、この道に倒れるのは....