山紅葉[語句情報] » 山紅葉

「山紅葉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

山紅葉の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
での述懐だ。 あられなす矢玉の中は越えくれどすすみかねたる駒の山麓 ふみわくる深山紅葉を敷島のやまとにしきと見る人もがも 八束穂のしげる飯田の畔にさへ君に仕ふる....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
や梅が白く、桃が紅く、夏来れば栗の花が黄白く、秋は其処此処に柿紅葉、白膠木紅葉、山紅葉が眼ざましく栄える。雪も好い。月も好い。真暗い五月闇に草舎の紅い火を見るも....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
げて見せたが、 「よい事がある。」 といって着物を脱いでしまった。下には薄紫に遠山紅葉《とおやまもみじ》の裾《すそ》模様のあるちりめんの長じゅばんを着て、白はか....
山上湖」より 著者:豊島与志雄
び出るようにして、あたりを見廻わすと、雨脚の廉ごしに、つき立った山腹が見える。全山紅葉だが、赤色から黄色にいたる色どりがぼーっとかすんでいる。私の眼もかすんでき....
私本太平記」より 著者:吉川英治
下の木戸や、せいぜいが仁王堂附近まで進んでは、死屍に死屍を積み、もう黒バミ初めた山紅葉より可惜に、たくさんな兵を散り急がせては、どっと退却を繰返すにすぎなかった....