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山里
「山里〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
山里の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
あぶ》りになった。――その元和か、寛永か、とにかく遠い昔である。
やはり浦上の
山里村《やまざとむら》に、おぎんと云う童女が住んでいた。おぎんの父母《ちちはは》....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
ば完全は至るところにある。利休は好んで次の古歌を引用した。 花をのみ待つらん人に
山里の雪間の草の春を見せばや(三六) 茶の宗匠たちの芸術に対する貢献は実に多方....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
本ぶらさがって、そのなかには二尺を越えたのもあった。 郊外の冬はあわれである。
山里は冬ぞ寂しさまさりける――まさかにそれほどでもないが、庭の枯れ芒が木枯らしを....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
種の怪談と少しく類を異にするものだと思ってもらいたい。 わたしの郷里は九州の片
山里で、山に近いのと気候のあたたかいのとで蛇の類がすこぶる多い。しかしその種類は....
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
(遠近にて寝鳥のおどろき起つ声。下田五郎は橋を渡りて出づ。) 五郎 常はさびしき
山里の、今宵は何とやらん物さわがしく、事ありげにも覚ゆるぞ。念のために川の上下を....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
りて、今しも駅前から発車しようとしているバスに乗り移った。 このあたりは静かな
山里で、あまり高くない山がいくつも重なりつつ、全体が南東へゆるやかな傾斜をなして....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
暑さは強し……貴方、お身体に触りはしますまいかと、――めしあがりものの不自由な片
山里は心細い。私はそれが心配でなりません。 晃 流が細ったって構うものか。お前こ....
「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:井原西鶴
ら米の秋と思うがままの月日を重ねて小吟も十四になって美しゅう化粧なんかするもんで
山里ではそれほどでなくっても殊更に目立って之の女を恋うる人が限ない。自分の姿を自....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
大吟味を試みた結果、奇怪なる犯罪が暴露した。それは、七化役者尾上小紋三が、丹那の
山里で大評判で、村中の女がことごとく恋をした。その中で勝利を得たのが椎茸畑の番人....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
の脱いだその沓を跨がねばならぬほど狭いので、心から、一方は海の方へ、一方は橿原の
山里へ、一方は来し方の巌殿になる、久能谷のこの出口は、あたかも、ものの撞木の形。....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
末と共に進退を決し、たとい身に墨染の衣を纒わざるも心は全く浮世の栄辱を外にして片
山里に引籠り静に余生を送るの決断に出でたらば、世間においても真実、天下の為めに一....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
ても妨げないが、野武士や追剥までが鉄砲をポンポン撃つのは余り無鉄砲過ぎる。網苧の
山里の立場茶屋に猪嚇しの鉄砲が用意してあるほどなら、道節も宝刀を捻くり廻して居合....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
賀国へ引き移って、国見山の麓にかくれていた。そうして、師直一門滅亡の噂がそこらの
山里まではまだ伝わらない四月の初めに、かりそめの病いから安らかに入寂した。その墓....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
狼は、木曾街道にもその権威を失いぬ。われら幼き時さえ、隣のおばさん物語りて――片
山里にひとり寂しく棲む媼あり。屋根傾き、柱朽ちたるに、細々と苧をうみいる。狼、の....
「郊外生活の一年」より 著者:岡本綺堂
八本ぶら下って、そのなかには二尺を越えたのもあった。 郊外の冬はあわれである。
山里は冬ぞ寂しさまさりけり――まさかにそれほどでもないが、庭のかれ芒が木がらしを....