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山駕籠
「山駕籠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
山駕籠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
ところだ。――旅のあわれを味わおうと、硝子張りの旅館一二軒を、わざと避けて、軒に
山駕籠と干菜を釣るし、土間の竈で、割木の火を焚く、侘しそうな旅籠屋を烏のように覗....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
湯本に着く。そこで、湯本泊まりならば格別、さらに山の上へ登ろうとすれば、人力車か
山駕籠に乗るのほかはない。小田原電鉄が出来て、その不便がやや救われたが、それとて....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ない。まして、開国の結果がここまで来たとは知りようもない。あの宿駕籠二十五|挺、
山駕籠五挺、駕籠|桐油二十五枚、馬桐油二十五枚、駕籠|蒲団小五十枚、中二十枚、提....
「嵐」より 著者:島崎藤村
やく来た。」 と、私はそれを太郎にも末子にも言ってみせた。 年とった嫂だけは
山駕籠、その他のものは皆徒歩で、それから一里ばかりある静かな山路を登った。路傍に....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
郎にとっては恐ろしい敵が、その時その森の向う側を、まさしく歩いていたのであった。
山駕籠に乗った冷泉華子を、南部集五郎とその一味とが、守護するように引き包み、話し....
「栃の実」より 著者:泉鏡花
藁家の軒札には虎杖村と書いてあった。 ふと、軒に乾した煙草の葉と、蕃椒の間に、
山駕籠の煤けたのが一挺|掛った藁家を見て、朽縁へ※道を向うへ切って、樗の花が咲重....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
一とまず木暮八郎方へ帰りまして、翌日になりますと、朝飯を食べると誂えて置いたから
山駕籠が一挺来ましたから、是へ幸三郎が乗り、衣類の這入った大きな鞄が駕籠の上に付....
「ステッキ」より 著者:寺田寅彦
。あれも現代におけるステッキの概念にはあてはまらないもので、昔の交通機関としての
山駕籠という機械の部分品と考えるべきものであろう。 自分たちの子供の時分には、....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
川平の、二つの別天地に起こっている時、この別天地をつないでいる、花の曠野へ四挺の
山駕籠が、浮かぶがように現われて来た。 何者達が乗っているのであろう? 勘右....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
んだん思い出します」 源女は嬉しそうに云い出した。 「たしかに妾こういう所を、
山駕籠に乗せられ揺られながら、以前に通ったように思います」 「そうでござるか、そ....
「淡紫裳」より 著者:佐藤垢石
た。 途中、一里半ばかりの六花台までは自動車、それから一里ばかりの万相渓までは
山駕籠であった。この駕籠は籐椅子を二本の長い竹に結び、二人の鮮人の舁子が担ぐのだ....
「温泉雑記」より 著者:岡本綺堂
経て湯本に着く。そこで、湯本泊りならば格別、更に山の上へ登ろうとすれば、人力車か
山駕籠に乗るのほかはない。小田原電鉄が出来て、その不便がやや救われたが、それとて....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
毎年講義の時には梵経所得の苦労を一度は必ず話した。インドの鉄道を離れて、七十五哩
山駕籠に乗って、高山を二つも越して雪山の中に入って、そこで集めたものであると自慢....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ましたが、カルカッタよりは三百八十哩を経たのであります。停車場からダンリーという
山駕籠に乗って直にサラット師の別荘〔ラハサ・ビラ〕に参りましたが、大変立派な別荘....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
りてへえしという囲い梨の這入った籠をそばへ引寄せる途端に表へ下りたのは、其の頃の
山駕籠でございます。駕籠の脇に連添う一人の老女は、お高祖頭巾を冠り、ふッくりと綿....