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岩魚
「岩魚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
岩魚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「梓川の上流」より 著者:小島烏水
宮川の小舎へ辿り着いた、老猟士嘉門次がいるので、嘉門次の小舎とも呼ばれる、主人は
岩魚《いわな》でも釣りに往ったかして戸が閉っている、小舎の近傍《そば》には反魂草....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
軒家の棟を転がる人魂、狼の口の弓張月、古戦場の火矢の幻。 怨念は大鰻、古鯰、太
岩魚、化ける鳥は鷺、山鳥。声は梟、山伏の吹く貝、磔場の夜半の竹法螺、焼跡の呻唸声....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
て通れずやむなく引返した。 二十五日 快晴 七・〇〇発 〇・〇〇徳本峠 二・三〇
岩魚止 七・二〇島々 昨日の雨で岳川谷の下半部は真青になっていた。徳本は、普通....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
西南の方向へと、強い傾斜を走って行くのである。 晃平は、前の川へ釣綸を垂れて、
岩魚一尾を得た。これをぼつぼつ切にして、麩と一緒に、味噌汁にして、朝飯を済す。そ....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
の葉から、蛾が足を縮めて、金剛杖の下にパタリと落ちた、それが灰のように軽かった。
岩魚止めの破れ小舎に、一と休みして、いよいよ徳本峠にかかる、河原が急になって、款....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
いのはその花弁だ。白花という名を冠らせるくらいだから白くはあるが、花冠の脊には、
岩魚の皮膚のような、薄紅の曇りが潮し、花柱を取り巻いた五裂した花冠が、十個の雄蕊....
「春の上河内へ」より 著者:板倉勝宣
で焚火をしたが少しも、暖かくなかった。手袋をちょっとぬぐともう凍ってかたくなる。
岩魚留に近くなったら大変暖かくなった。
岩魚留で昼をつかってすっかり休んだ。もうス....
「古狢」より 著者:泉鏡花
乱れて梟が鳴いているお茶屋だった。――※、鮠、鮴の類は格別、亭で名物にする一尺の
岩魚は、娘だか、妻女だか、艶色に懸相して、獺が件の柳の根に、鰭ある錦木にするのだ....
「山の湯雑記」より 著者:折口信夫
までは、一続きと言う気がする。 ことしはどう言う訣か、何処へ行って尋ねても、山は
岩魚のとれない処が多かった。やまめを掛けて揚げたりしたのは、却てよかった。湯場か....
「石を食う」より 著者:佐藤垢石
岩魚は、石を食う。石を餌にするわけではないが、山渓の釣り人に言わせると、一両日後....
「案内人風景」より 著者:黒部溯郎
以前のいわゆる日本アルプス探険時代ともいうべき頃の登山者たちは、概ね、猟師とか、
岩魚釣りとか、杣人の類か、または、かつて陸地測量部の人夫として働いた事があるとい....
「釜沢行」より 著者:木暮理太郎
さえ感ずるものである。十一時四十五分ナレイ沢の右岸を降りて、子酉川の河原に出で、
岩魚釣りの小屋に休んで昼食にする。小屋というても木の枝を編んで造ったものであるか....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
れから道は暫く川と離れる。山坡を下って小沢を渉った。ふと見ると上手の浅瀬に二尾の
岩魚が泳いでいる。人影に驚いて岩の下へ隠れたのを幸に、上下を堰止めて大金が造作な....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
釣竿を作ると、源次郎が蚯蚓を掘って餌にする。私は可笑しくなった、そんなことで※や
岩魚が釣れるなら世話はないと思った。岳の方から薄ら冷い風が吹いて、汗にふやけた五....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
助七が濡れ腐った落葉の塊を引掻廻して、十数疋の蚯蚓を掘り出したことを覚えている。
岩魚を釣る餌にするのだという。暫く下ると河原が現れ、続いて岩が多くなった。其処で....