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岸の柳
「岸の柳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
岸の柳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
が、この二つの渡しだけは、同じような底の浅い舟に、同じような老人の船頭をのせて、
岸の柳の葉のように青い河の水を、今も変わりなく日に幾度か横ぎっているのである。自....
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
悪《きゝにく》い事でございましょう左様御承知を願います、扨《さて》お筆は数寄屋河
岸の柳番屋の蔭へ一夜《ひとよ》置き位に出て袖乞を致しまするも唯養父を助けたい一心....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
や鰊《にしん》の蒲焼の匂いもかぐことはできなかった。秋の深くなるのを早く悲しむ川
岸の柳は、毛のぬけた女のように薄い髪を振りみだして雨に泣いていた。荷足船《にたり....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ころも空に江戸川堤へ駈けつけると、死骸はもう引き揚げられていた。あら菰をきせて河
岸の柳の下に横たえてある男の水死人はたしかに藤吉に相違ないので、附き添いの人々も....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。もし、親分。浅草の勘次と富松という駕籠屋が空駕籠をかついで柳原の堤を通ると、河
岸の柳のかげから十七八の小綺麗な娘が出て来て、雷門までのせて行けと云う。こっちも....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
のうえに紺青の空が大きく澄んで、秋の雲がその白いかげをゆらゆらと浮かべている。河
岸の柳は秋風にかるくなびいて、そこには釣りをしている人もある。その人は俳優の配り....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
抜け出し、野良の細道をスタスタと湖水の岸まで引き返して来た。 一人の女が湖水の
岸の柳の蔭に立っている。どうやら泣いているらしい。 「これ女中どうなされたな?」....
「真夏の夢」より 著者:有島武郎
ら進みますから、その裳は花床よりもなおきれいな色になりました。 おかあさんは海
岸の柳の木陰に足をとめましたが、その柳の幹と枝とにはさまった巣が、風のまにまに柳....
「ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
が、よく見ると水量が多くて流が可なり早いのであった。水嵩の増すこともあると見え、
岸の柳の木に藁くずなどが引掛っていた。 Rottenacker 駅を過ぎた頃に....
「犬神娘」より 著者:国枝史郎
の様子をうかがいながら、纜ってある船の方へ行きました。おりから晴れた星月夜で、河
岸の柳が川風に靡いて、女が裾でも乱しているように、乱れがわしく見えておりましたっ....
「女侠伝」より 著者:岡本綺堂
K君は茶をすすりながらにやにや笑っていた。雨はいよいよ本降りになったらしく、
岸の柳が枯れかかった葉を音もなしに振るい落しているのもわびしかった。 ....
「放し鰻」より 著者:岡本綺堂
を恐れて、罪の重荷を放しうなぎと共に大川へ沈めたのであろう。 秋が深くなって、
岸の柳のかげが日ごとに痩せて行った。橋番のおやじは二人の供養のために、毎あさの放し鰻を怠らなかった。....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
の方から寂として聞えて来る、あたりの人の気勢もなく、家々の灯も漏れず、流は一面、
岸の柳の枝を洗ってざぶりざぶりと音する中へ、菊枝は両親に許されて、髪も結い、衣服....
「島原の夢」より 著者:岡本綺堂
町のうえに紺青の空が大きく澄んで、秋の雲がその白いかげをゆらゆらと浮べている。河
岸の柳は秋風にかるくなびいて、そこには釣をしている人もある。その人は俳優の配りも....
「えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
立の空洞の中などに棲んでいるので,そういう木の傍に野宿するものではないし,また川
岸の柳原の端にも棲んでいるので,そういう所にも泊るものではないという(30). ....