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峡
「峡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
峡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
幼年時代の記憶だけだった。彼は度たび夢うつつの間に彼の両親の住んでいた信州の或山
峡の村を、――殊に石を置いた板葺《いたぶ》き屋根や蚕臭《かいこくさ》い桑ボヤを思....
「春」より 著者:芥川竜之介
の外へ目を移した。汽車は美濃《みの》の国境《くにざかい》に近い近江《おうみ》の山
峡《やまかい》を走っていた。山
峡には竹藪《たけやぶ》や杉林の間に白じろと桜の咲い....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
きかけ吹きかけ、雨交《あめまじ》りの風に戦《そよ》ぎ渡った青芒《あおすすき》の山
峡《やまかい》を走っている。……
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「お時儀」より 著者:芥川竜之介
かり考えつづけた。汽車は勿論そう云う間《あいだ》も半面に朝日の光りを浴びた山々の
峡《かい》を走っている。「Tratata tratata tratata trararach」
(大正十二年九月)....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
石の上に、水を掠《かす》めて去来する岩燕《いわつばめ》を眺めていると、あるいは山
峡《やまかい》の辛夷《こぶし》の下に、蜜《みつ》に酔《よ》って飛びも出来ない虻《....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
、暗い停車場のプラットフォームから私たちに名残《なご》りを惜しんだ。陰鬱な津軽海
峡の海の色も後ろになった。東京まで付いて来てくれた一人の学生は、お前たちの中の一....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
びかしてところどころに立つ惨めな農家、これらの間を鋭い刃物で断ち割ったような深い
峡間、それらが特種な深い感じをもって特種な筆触で描かれている。君はややしばらくそ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
を余儀なくされ、遂に敗れた。イギリスはその貧弱な陸上兵力にかかわらず、ドーバー海
峡という恐るべき大水濠の掩護によって、ナポレオンの決戦戦争を阻止したのである。今....
「春昼」より 著者:泉鏡花
、西南一帯の海の潮が、浮世の波に白帆を乗せて、このしばらくの間に九十九折ある山の
峡を、一ツずつ湾にして、奥まで迎いに来ぬ内は、いつまでも村人は、むこう向になって....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
たかった、といった手で、頬にかかった鬢の毛を弄びながら、 「洲の股の御前も、山の
峡の婆さまも早かったな。」というと、 「坂下の姉さま、御苦労にござるわや。」と手....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ぞきます。やがて行きついた所はそそり立つ大きな巌と巌との間を刳りとったような狭い
峡路で、その奥が深い深い洞窟になって居ります。そこが弟橘姫様の日頃お好みの御修行....
「母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
考えでした。マルコは夜もねむることが出来ませんでした。 でも、ジブラルタルの海
峡がすぎた後で、はじめて大西洋を見た時には元気も出てきました。望も出てきました。....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
散らし蹴散らし、いささかのセンチを目に浮べて、悲喜交々、闘志を抱いて渡る関門の海
峡を、逆に白波を追っていた連絡船の中で、夢野久作の正体を発見したのである。 「オ....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
極的支持と協力をあたえる。とくに第四次貿易協定の完全実施を実現する。さらに台湾海
峡をめぐる問題にかんしていえば、蒋介石グループにたいする軍事的支援、とくに台湾に....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
赫々たる戦果を挙げ全欧州大陸を風靡したが、海を隔てたしかも僅か三十里のドーバー海
峡のため英国との戦争は十年余の持久戦争となったのである。但しこれはむしろ2項の原....