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「峻厳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

峻厳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
《りょがい》ながら揚巻《あげまき》で御座《ござ》んす」という、曲線では表わせない峻厳《しゅんげん》なところがある。冷たい無関心がある。「いき」の芸術形式がいわゆ....
船医の立場」より 著者:菊池寛
いやれば、彼らはすぐ政府の役人によって捕縛《ほばく》されるだろう。そして、日本の峻厳《しゅんげん》な法律は、彼らの首を身体から斬り放つだろう。我々合衆国人の渡航....
若杉裁判長」より 著者:菊池寛
同情することができました。だから、立会の検事が、少年の心理に少しの理解を持たない峻厳な論告をした時、どうしても、心のうちで首肯することができませんでした。 弁....
婦系図」より 著者:泉鏡花
家厳の、左右一顧の余裕のない、一時の激怒を惜むとともに、清冽一塵の交るを許さぬ、峻厳なるその主義に深大なる敬意を表する。 英吉君、能うべくは、我意を体して、よ....
電気看板の神経」より 著者:海野十三
文明に喰われてしまっている。日本に於ても浜尾子爵閣下が「自動車|轢殺取締をもっと峻厳にせよ」と叫んで居られる。機械文明だけではない。あらゆる科学文明は人類に生活....
動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
た捕鯨船ではないか。その船の船長が、安吉の殺害犯人なのだ。手配は直ぐに行届いて、峻厳な調査がはじめられた。 すると、真ッ先に海員紹介所から、耳よりな報告がはい....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
フ夫人であって、眉弓が高く眦が鋭く切れ、細い鉤形の鼻をしているところは、いかにも峻厳な相貌であった。聞くところによれば、彼女の技量はかの大独奏者、クルチスをも凌....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
だった。この女の口を開けさえすれば片が附くと云う考えだったから、この取調べは可成峻厳に行われたのである。 支倉の訊問は彼の妻の訊問と平行して行われたのだったが....
運命」より 著者:幸田露伴
、進香は皇考禁あり、遵う者は孝たり、遵わざる者は不孝たり、とて使者の耳鼻を割き、峻厳の語をもて斥く。燕王怒ること甚し。 燕王兵を起してより既に三年、戦勝つと雖....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
気にのしかけられて、黯緑で埋まった森の中に、水銀が湛えられる、その上に乗鞍岳が、峻厳にそそり立って、胴から上を雲に没している。 谷風がさやさやと、川楊の葉に衣....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
言を繰返した。 博士は、僕と一所に、同じ卓子を囲んでいた。そしていつものような峻厳な表情を続けていたが、やがて重々しく唇をひらいた。 「岸君。別に説明するほど....
獄中消息」より 著者:大杉栄
月の半ばに一月出の※の今日まで延ばされたのだと思う。お上の掟というものはまことに峻厳なものだ。しかし四月下旬出のあの手紙は即刻見ることができた。これはまたたぶん....
氷河」より 著者:黒島伝治
はもう一度それを訴えた。 「よしッ!」 軍医の頑固な冷たいものが、なお倍加して峻厳になってきた。 ベッドに帰ると、ひとしお彼の心は動揺した。まだ絶望したくは....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
く緻密な頭脳を持っていたということを、誰しもが説いている。それには違いなかろう。峻厳である一方|悟道の用心が慎重である。徒に喝棒なんぞと、芝居めいた振舞にも出で....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
っさいの友人たちを追い出したあとの自邸に、エセックスは移され、そこで以前のごとく峻厳に禁錮されることとなった。彼女はベエコンを召したが、彼はもう一度、星法院云々....