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崖下
「崖下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
崖下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「透明猫」より 著者:海野十三
崖下《がけした》の道《みち》 いつも通りなれた
崖下を歩いていた青二《せいじ》だ....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
てまで、烏帽子のようなものをチョンと頭にのせていた。 「奇人だ。」 「いや、……
崖下のあの谷には、魔窟があると言う。……その種々の意味で。……何しろ十年ばかり前....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
は今、崖の端に立っている!) 机博士は戦慄した。たいへんだ。足を踏みはずせば、
崖下に落ちていって、骨をくだいて人生にさよならを告げなくてはならない。あぶない。....
「恐竜島」より 著者:海野十三
たがたふるえて来、手も足も知覚《ちかく》がなくなっていた。 一方玉太郎の方は、
崖下にころがり落ち、スコールが作ったにわかの川の中へぼちゃんと尻餅《しりもち》を....
「火星探険」より 著者:海野十三
《まがりみち》になっているのに、まっすぐ走らせているよ。ああっ、崖を超えた……」
崖下からは、白い煙がもうもうとあがってきた。しかし張もネッドも崖の上へは這《は》....
「火星兵団」より 著者:海野十三
と要領よく喋れとも、どっちとも言わなかった。
「……とにかく、不思議なことです。
崖下へいって、焼けおちた自動車の車体をひっくりかえして見ましたが、運転手の死体は....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
と、真先に案内するのが弁慶堂である。 車夫が、笠を脱いで手に提げながら、裏道を
崖下りに駈出して行った。が、待つと、間もなく肩に置手拭をした円髷の女が、堂の中か....
「空襲警報」より 著者:海野十三
。 「ああ、鍛冶屋のおじさんだ、兼吉君のお父さんだッ」 それは旗男の東京の家の
崖下に、小さな工場を持っている鍛冶屋の大将鉄造さんだった。 旗男は「おじさんお....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
|重って、そこにも三味線の音がしたが、時々|哄と笑う声は、天狗が谺を返すように、
崖下の庭は暮れるものを、いつまでも電燈がつかない。 小春の藍の淡い襟、冷い島田....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
と低くなる窪地で、途中街燈の光が途絶えて、鯨が寝たような黒い道があった。鳥居坂の
崖下から、日ヶ窪の辺らしい。一所、板塀の曲角に、白い蝙蝠が拡ったように、比羅が一....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
だった、爪の黒い掌をがばと当てて、上下に、調子を取って、声を揉出す。 佐内坂の
崖下、大溝通りを折込んだ細路地の裏長屋、棟割で四軒だちの尖端で……崖うらの畝々坂....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
梅雨時、陰惨としていた。低い格子戸を音訪れると、見通しの狭い廊下で、本郷の高台の
崖下だから薄暗い。部屋が両方にある、茶の間かと思う左の一層暗い中から、ひたひたと....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
」 「ここは、どこでございます。」 「ここですか、ここは、一つ目の浜を出端れた、
崖下の突端の処ですが、」 「もう、夜があけましたのでございますか。」 「明けたで....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
っておいて…… わが、辻三がこの声を聞いたのは、麹町――番町も土手下り、湿けた
崖下の窪地の寒々とした処であった。三月のはじめ、永い日も、午から雨もよいの、曇り....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
航す。四時以後は左方に渺茫たる北極海を望み、右方に屹立せる絶壁を見て北走するに、
崖下に無数の小禽の上下するあり、あたかも群蝶の風に舞うがごとし。風光荒涼、自然に....