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崛起
「崛起〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
崛起の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「錯覚自我説」より 著者:辻潤
伏《しふく》したのに過ぎぬ。それゆえ一朝事情が変ずれば勿ち雌伏したものは雄飛し、
崛起《くっき》して第一のものを覆す。そうしてそれが調整する余地がなければその時に....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
の平野は真暗に遠く広く眼の前に展け亘った。モンテ・ファルコの山は平野から暗い空に
崛起しておごそかにこっちを見つめていた。淋しい花嫁は頭巾で深々と顔を隠した二人の....
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
信長の
崛起 天文十八年三月のこと、相遠参三ヶ国の大名であった今川氏を始めとし四方の豪....
「運命」より 著者:幸田露伴
霊蔵するを容さず以下数句、燕王に召出されしをいう。神龍氷湫より起るの句は、燕王|
崛起の事をいう。道い得て佳なり。愛に因って醜を知らずの句は、知己の恩に感じて吾身....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
をなすものであって、換言すれば集中作用の大いに発動しかける端緒である。余は群雄の
崛起《くっき》をもってむしろ小盗の屏息を促すものだと考える。かく考えきたれば応仁....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
主国においても、時として一部が権力を壟断《ろうだん》することがある。その時全部が
崛起《くっき》し、権利回復の必要上武器を取るに至る。集団の大権に属するあらゆる問....
「取舵」より 著者:泉鏡花
朱のごとく、雪のごとく、激しく異状を示したり。 邇く水陸を画れる一帯の連山中に
崛起せる、御神楽嶽飯豊山の腰を十重二十重に※れる灰汁のごとき靄は、揺曳して巓に騰....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
ものはない、なおその上に砂地の付近には、のこぎりの歯のような岩礁がところどころに
崛起して、おしよせる波にものすごい泡をとばしている。 富士男はそこで、船室にひ....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
る矢島楫子刀自を初め今は疾くに鬼籍に入った木村|鐙子夫人や中島湘烟夫人は皆当時に
崛起した。国木田独歩を恋に泣かせ、有島武郎の小説に描かれた佐々木のぶ子の母の豊寿....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
を率いて早稲田に威武を張り、樗牛は新たに起って旗幟を振い、四方の英才|俊髦一時に
崛起して雄を競うていた。二葉亭は『浮雲』以後全く韜晦してこの文壇の気運を白眼冷視....
「明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
詣はむしろ坪内君を凌ぐに足るほどであったが、ツマリ「文学士春の屋おぼろ」のために
崛起したので、坪内君|莫かっせばあるいは小説を書く気には一生ならなかったかも知れ....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
同じであった。が、大勢は終に滔々として渠らを置去りにした。 かかる折から卒然|
崛起して新文学の大旆を建てたは文学士|春廼舎朧であった。世間は既に政治小説に目覚....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
始めて鬼神の楼閣を見たり。その鬼神の楼閣一下して、墻壁となるかと思われしが、また
崛起して楼閣を起し、二長瀑を挂く。右なるは三百尺、左なるは五百尺もやあらん。南画....
「『西遊記』の夢」より 著者:中谷宇吉郎
の山麓は広漠たる乾燥した砂礫の斜面で、その縁《ふち》にそって、極度に不毛の丘陵が
崛起《くっき》」している。その砂岩と礫岩とより成る赤裸の山肌は、無人の境にあって....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
く弥陀ヶ原の高原と並行して、其縁を限る大日岳の連嶺が奥大日、大日、小大日の諸峰を
崛起し、余脈を遠く西に走らせて、末は富山平原の上に漾う層雲の中に没している。富士....