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「嵐気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

嵐気の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ろまん灯籠」より 著者:太宰治
なに醜い顔になってもかまわぬ、私はラプンツェルを好きなのだ、不思議な花、森の精、嵐気《らんき》から生れた女体、いつまでも消えずにいてくれ、と哀愁《あいしゅう》や....
星女郎」より 著者:泉鏡花
凄じい。が、山々の緑が迫って、むくむくとある輪廓は、霄との劃を蒼く、どこともなく嵐気が迫って、幽な谷川の流の響きに、火の雲の炎の脈も、淡く紫に彩られる。 また....
香魚の讃」より 著者:佐藤垢石
し、八、九寸四、五十匁の川鮎を魚籠に収めようとするのは、六月下旬から七月に入った嵐気、峡に漂う季節である。 まさに友釣りの快技に興をやる日が迫ってきた。これか....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
葉のない間を静かにつなぐ。 ドウーッと、滝の落ちるような音の奥から、寒いような嵐気が樹々の眠りをさましてくる。大勘は時折、ものいいたげに源次のほうを見た。源次....
私本太平記」より 著者:吉川英治
介、土岐左近、家臣小姓たちも、ふたりの逍遥につづいて行った。山城の曲輪は、四山の嵐気を断っているが、伊吹の中腹である、何といっても風は冷たい。 「おつかれかな、....
随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
だった。逃げたわけではないが、つい私は夏を軽井沢にすごしてしまった。しかし山国の嵐気のなかで隠岐の六百二十五年前の人と波濤を想像にのぼすなどは悪いコンディション....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
かった様子である。 二十九日。朝起きて見れば相変らず雲は低く垂れて、峡谷の風物嵐気|霏々として頗る穏でない。昨日よりは夫でも幾分か模様が好いように思われたので....