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「巌窟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

巌窟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
社後の岩窟にて臨産の節、祈願して母子安全たり、また王子に祈誓し、この子をすなはち巌窟に捨て置き、三山に詣《けい》して帰路にこれをみるに、狐狼等守護していさゝかも....
思い出の記」より 著者:小泉節子
の事です、出雲の加賀浦の潜戸に参りました時です。潜戸は浦から一里余も離れた海上の巌窟でございます。ヘルンは大層泳ぎ好きでしたから、船の後になり先きになりして様々....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
をますます固めた。 彼は三十人の壮士をすぐって、武器をたずさえ、糧食を背負い、巌窟に寝ね、野原で食事をして、十日あまりも進むうちに、宿舎を去ること二百里、南の....
田舎教師」より 著者:田山花袋
して聞かせても、「そうですか」と言って相手にもならなかった。愛読していた涙香の「巌窟王」も中途でよしてしまった。学校の庭の後ろには、竹藪が五十坪ほどあって、夕日....
縮図」より 著者:徳田秋声
「解った?」 「解った。」 「じゃ明日また何かもって来てやろう。」 今度は「巌窟王」であったが、婦人公論もおいて行った。 ある晩方銀子は婦人公論を、膝に載....
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
山は、「小英雄」を、 与謝野鉄幹は、「小刺客」を書き、 黒岩涙香に依って、「巌窟王」「噫《ああ》無情」が翻訳されたのであった。 時代物としては、 外山|....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
くに申しまするが、いかがか、いずれとも相分りませぬ。この公園のずッと奥に、真暗な巌窟の中に、一ヶ処清水の湧く井戸がござります。古色の夥しい青銅の竜が蟠って、井桁....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、その妙音天様を本尊と致します。また一説と致しましては、お釈迦様のお弟子のなかに巌窟尊者《がんくつそんじゃ》という方がございました、この方が、やはり盲目でいらっ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
を着けて、お知合のお医者様へいらっしゃるというのは嘘で、石滝のこちらのお不動様の巌窟の清水へ、お頭を冷しにおいでなさいますのも、存じております。不自由な中でござ....
源氏物語」より 著者:紫式部
珍しくおもしろく思われた。修験僧の寺は身にしむような清さがあって、高い峰を負った巌窟《いわや》の中に聖人《しょうにん》ははいっていた。 源氏は自身のだれである....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
わって償いましょう」 「この深い深い林の中を西へ西へと三里余り参ると一つの大きな巌窟がござる。巌窟の中に剣がござる」 「ははあそれではその剣を持って参れと云われ....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ある。 しかしちょっと、気を紛らそうという時には、旅行しないで、アイバンホーや巌窟王を読んだり、有名なキーツの芝居を見に行ったり、ヂェンニイ・リンドの歌うのを....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
川を二つ渡ってちょうど二里半ほど山を登りますと白い岩窟が見えたです。それで私は白巌窟と名づけた。婆さんの息子がその白巌窟を指してあすこがゲロン・リンボチェの居ら....
悪僧」より 著者:田中貢太郎
が帰省しようとして、山の中途までおりたところを、後からつけて来て撲りつけ、死骸は巌窟の中にかくして、世間へは虎に喫われたと云いふらして、今に妻室と密会を続けてお....
涙香に還れ」より 著者:野村胡堂
、出版社の意図もまた此処《ここ》にあることだろうと思う。 最初に世に送らるる「巌窟王」が大デュマの傑作「モンテ・クリスト伯」であることも機宜を得たものだろう。....