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「川堤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

川堤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
その噂を聴いて出て来た。家主と両隣りの人々に附き添われて、お徳はこころも空に江戸川堤へ駈けつけると、死骸はもう引き揚げられていた。あら菰をきせて河岸の柳の下に横....
義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
兵衛 その方儀、去る十三日領内百姓一揆騒動いたし候|砌、右一揆に加担いたし、香東川堤において上役人松野八太夫に投石殺害いたし候始末、不仕方、不届至極につき、磔申....
大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
。是に向うは河内国の先鋒藤堂高虎兵五千、井伊直孝三千二百。 盛親麾下三百を長瀬川堤上に伏せ、敵の十間に迫るや槍撃す。藤堂勢中藤堂|高刑、藤堂氏勝等の重臣戦死し....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
上野の彼岸桜に始まって、やがて心も向島に幾日の賑いを見せ、さて小金井、飛鳥山、荒川堤と行楽に処は尠からぬも、雨風多き世に明日ありと油断は出来ず、今日を一年の晴れ....
一坪館」より 著者:海野十三
までに、源一はながいこと考えた。 はじめは十銭にしようかと思った。なにしろ多摩川堤に行けば、いくらとってもただなんだから、十銭でも高いといえる。 しかし、あ....
絵本の春」より 著者:泉鏡花
花に紅の口を漱がせ、柳の影は黒髪を解かしたのであったに―― もっとも、話の中の川堤の松並木が、やがて柳になって、町の目貫へ続く処に、木造の大橋があったのを、こ....
若菜のうち」より 著者:泉鏡花
た。 場所は――前記のは、桂川を上る、大師の奥の院へ行く本道と、渓流を隔てた、川堤の岐路だった。これは新停車場へ向って、ずっと滝の末ともいおう、瀬の下で、大仁....
南地心中」より 著者:泉鏡花
「御道理で、ふふふ、」 男衆はまた笑いながら、 「ですがね、欄干へ立って、淀川堤を御覧なさると、貴方、恍惚とおなんなさいましたぜ。熟と考え込んでおしまいなす....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
たが、愛着などあろう筈はなく弾が落ちない前にもう逃げはじめた。一行十六人の群は、川堤を行ったり来たりして弾の落ちて来るのをさけた。あたりのお邸はどんどん燃え出し....
水鬼」より 著者:岡本綺堂
女のうしろに付き纏っているようにも思われて、気の弱い僕はまたぞっとした。 尾花川堤の人殺しは、狭い町の大評判になった。殊にその加害者が芸妓というのだから、その....
首頂戴」より 著者:国枝史郎
だしい。 二 「ほほう不思議な乞食だの」こういったのは総髪の武士。「淀川堤の蒲鉾小屋でな?」 「茶を立て香を焚き遊女を侍らせ、悠々くらしておりますそう....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
書きとめて置きたい事がある。 十一、二の頃だった。私は一人戸郷川という村境いの川堤を歩いていたら、目の前の流れにお札が一枚漂うて来た。私は川べに下りてそれを拾....
みやこ鳥」より 著者:佐藤垢石
眼の底に浮かんできた。改めて、私はゆりかもめをみつめた。 眼がさめると、私は淀川堤の暁の若草の上に、横になっているのに気がついた。 ――何だ、自殺も忘れてい....
錦紗」より 著者:犬田卯
へでも入って死んでしまってやる……」 暁方から沼向うの町で花火が上り出した。S川堤の桜が満開になって、花見の客をよぶそれは合図なのであった。 兄貴の和一が昨....
サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
京都あたりでは一種の浮浪民を、サンカまたはサンカモノと呼んでいる。東山や鴨川堤などに臨時の小屋を構えて住んでいるものは、そのやや土着的性状を具えて来たもの....