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川狩
「川狩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
川狩の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
、幾百という細い草が、その生命を奪われる。踏み躪られて殺されるのである。尚彼らは
川狩りをして沢山の魚の生命を取る。野に遊んでは蛇を殺し山を歩いては蝉を殺す。そう....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
木を流しているさかんな活動のさまがその街道から望まれる。小谷狩にはややおそく、大
川狩にはまだ早かった。河原には堰を造る日傭の群れの影もない。木鼻、木尻の作業もま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
くしを撫でてみました。 「それで今日は、その尾州家の木曾領お見廻りの重役が、この
川狩りを検分に参りましたために、
川狩りが今日は休みでございます」 僧形の同職が....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
で、鰺やおぼこの釣れないことは心得ておるから。これで魚屋へ寄るのは、落語の権助が
川狩の土産に、過って蒲鉾と目刺を買ったより一層の愚じゃ。 特に餌の中でも、御馳....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
の一団なのである。 平素は自分の家にいて、百姓もやれば杣夫もやり、猟師もやれば
川狩もやるが、どこかに大きな祭礼があって、市が立って盛んだと聞くと、早速香具師に....
「旧藩情」より 著者:福沢諭吉
れを許さず。上士は騎馬《きば》し、下士は徒歩《とほ》し、上士には猪狩《ししがり》
川狩《かわがり》の権を与えて、下士にはこれを許さず。しかのみならず文学は下士の分....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
するが当っているだろう。 ところで信乃がいよいよ明日は滸我へ旅立つという前晩、
川狩へ行って蟇六の詭計に陥められて危なく川底へ沈められようとし、左母二郎に宝刀を....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
ぼみ》がち 耕すや五石の粟《あは》のあるじ顔 燕《つばくら》や水田の風に吹かれ顔
川狩や楼上の人の見知り顔 売卜先生木の下闇の訪はれ顔 行く春やおもたき琵琶《びは....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
かこっておく生洲の水がめぐっており、板場の雑音は近いが、屋根から庭木へ掛けてある
川狩使いの網の目に、色町の中とは見えぬ静かな宵の月が一輪。 「さ、親分様、どうぞ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
す中は、毎日|書を読んだりお手習いしてました」 「ははは、それだけでもあるまい。
川狩の網がここに見える」 「オヤ、いけねえ」 「殺生だけはおよし」 「はい」 「....
「濞かみ浪人」より 著者:吉川英治
と、話柄に残っている事がある。 それは、或る夏だった。 赤穂城に近い千種川で
川狩が催された時である。舟中の宴の座興に、内匠守長矩がふと云い出した。 『誰ぞ、....