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川端
「川端〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
川端の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
りましょう。
「私が始めて三浦の細君に会ったのは、京城から帰って間もなく、彼の大
川端《おおかわばた》の屋敷へ招かれて、一夕の饗応《きょうおう》に預った時の事です....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
自分は、大
川端《おおかわばた》に近い町に生まれた。家を出て椎《しい》の若葉におおわれた、黒....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
を落した。すると番附には「ピストル強盗《ごうとう》清水定吉《しみずさだきち》、大
川端《おおかわばた》捕物《とりもの》の場《ば》」と書いてあった。
年の若い巡査....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
つか六つの時だったであろう。僕は確か父といっしょにそういう珍しいものを見物した大
川端の二州楼へ行った。活動写真は今のように大きい幕に映るのではない。少なくとも画....
「春昼」より 著者:泉鏡花
い形でな。 渾名を一厘土器と申すでござる。天窓の真中の兀工合が、宛然ですて――
川端の一厘土器――これが爾時も釣っていました。 庵室の客人が、唯今申す欄干に腰....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
はその小立野から、八坂と言います、八段に黒い滝の落ちるような、真暗な坂を降りて、
川端へ出ていた。川は、鈴見という村の入口で、流も急だし、瀬の色も凄いです。 橋....
「火星兵団」より 著者:海野十三
乗出した。
「午後九時四十分のことです。千葉県から出て来た十三歳になる少年が、大
川端から投身自殺――はて、おかしいぞ。大
川端から、投身自殺をはかった年若い婦人が....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
思ったりゃ、もう、すっこ抜けて、坂の中途の樫の木の下に雨宿りと澄ましてけつかる。
川端へ着くと、薄らと月が出たよ。大川はいつもより幅が広い、霧で茫として海見たよう....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
。 この岡惚れの対象となって、江戸育ちだというから、海津か卵であろう、築地辺の
川端で迷惑をするのがお誓さんで――実は梅水という牛屋の女中さん。……御新規お一人....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
く、光って流れた。 その影も、灯も、犬が三匹ばかり、まごまご殿しながらついて、
川端の酸漿提灯の中へぞろぞろと黒くなって紛れたあとは、彳んで見送る井菊屋の人たち....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
される恋の情火のようだ。 十月二十日―― また一人|殺った。昼食を済まして、
川端を歩いていると、釣師が一人柳の木の下に眠っていた。正午だった。鋤が一丁、傍の....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
誌が、此れまでサンザ首をひねらせた新青年の夢野久作ものするところの、あの古博多の
川端――筆者の産れた――あたりと櫛田神社の絵馬堂を織り込ンだ『押絵の奇蹟』だった....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
の透から、早や九時十時の日ざしである。このあたりこそ気勢もせぬが、広場一ツ越して
川端へ出れば、船の行交い、人通り、烟突の煙、木場の景色、遠くは永代、新大橋、隅田....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
もない。三本目に至って、私たちを驚かした。それは十町ばかりも邸町を歩行いて出た大
川端の、寂しいしもた家だったが、「私、私は、私は(何とか)町の、竹谷の姪の娘が嫁....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
く問わず、「江戸の横網鶯の鳴く」と北原白秋氏の歌った本所さえ今ではもう「歴史的大
川端」に変ってしまったという外はない。如何に万法は流転するとはいえ、こういう変化....