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州境
「州境〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
州境の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「入れ札」より 著者:菊池寛
。それゃみんな同じことですぜ。 喜蔵 だが、安心はならねえ。足腰の立つうちに、信
州境を越してしめいていものだ。 忠次 おい、赤城山が見えるじゃねえか。 (みん....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
空に聳えている。その西には釈迦岳が八坂峠を抱擁しながら峨ヶ岳の峰に続いている。駿
州境には雨ヶ岳同じく竜ヶ岳が聳えていたが、大室山、長尾山、天神峠の山々を隔てて富....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
、往昔海の口の城主が甲州の武士と戦って、戦死したと言伝えられる場所もある。 甲
州境に近いところで、私達は人の背ほどの高さの小梨を見つけた。葉は落ち尽して、小さ....
「家」より 著者:島崎藤村
水蒸気が多いんだね。平常はもっとずっと近く見える」 「それじゃ何ですか、あれが甲
州境の八つが岳ですか――あの山の向が僕の故郷です」と記者が言った。 「へえ、君は....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
火を見るも好い。雨も好い。春陰も好い。秋晴も好い。降る様な星の夜も好い。西の方甲
州境の山から起って、玉川を渡り、彼が住む村を過ぎて東京の方へ去る夕立を目迎えて見....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
お前、逃げて行く先はどこなの」 「それはねえ、これから甲州街道を上って行くと、甲
州境に高尾山薬王院というお寺があるのよ、そこへ逃げて行こう」 「お前、そのお寺と....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
なるほど、この富士川を上ってここが福士、それから身延鰍沢《みのぶかじかざわ》、信
州境から郡内《ぐんない》、萩原入《はぎわらいり》から秩父《ちちぶ》の方まで、よく....
「アリゾナの女虎」より 著者:牧逸馬
た。それは不思議な、深夜の自動車行列だった。 一九三一年十月三十日、自動車は、
州境に差掛って、此処で、州と州との間に、犯人引渡しの形式的な手続がある。 フォ....
「岩魚」より 著者:佐藤垢石
後、なにごともなく夏が過ぎ秋がきた。爽やかな風が吹く十月下旬の陽が、遙かに西方信
州境の荒船山に落ちて間もないある黄昏のことである。秋は空気が澄んでいたためであろ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
る。 二十五宿といわれる八王子の燈は、今までの何処よりも繁華に見えた。秩父や甲
州境の山の影が、どっぷり町の西北を囲ってはいるが、ここに纏まっている宵の燈には、....
「三国志」より 著者:吉川英治
から礼をもって迎えられても禄や利に仕えず、飄零風泊、各地を遍歴しているうち、汝南
州境の古城に張飛がたて籠っていると聞いてにわかにそこを訪ねてみようものと、ここま....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
りをひそめている態である。 で当然、こなたが先帝奪回に逸ッて、そのお道すじの播
州境へと、兵をくり出せば、彼らはすぐさま、二つの留守城を急襲して出る。 さらに....
「雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
ての……」 外の道を、秋風が、さあっと、木の葉を掃いて行った。美濃の明知から三
州境へかかるこの峠も、七刻を過ぎると寂れだった。 すると遠くから子守唄が聞えた....
「母の手毬歌」より 著者:柳田国男
の角度だけは、両方がおおよそ同じくらいである。これにはんして釜無川の岸にちかい信
州境いの農家は、枌板をもって葺くものだから、東の郡内やそのつづきにくらべると、屋....