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巡査
「巡査〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
巡査の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
前の石燈籠の下部。少年は前と変りはない。そこへ帽を目深《まぶか》にかぶった
巡査《じゅんさ》が一人歩みより、少年の肩へ手をかける。少年は驚いて立ち上り、何か....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
吾妻橋《あずまばし》の欄干《らんかん》によって、人が大ぜい立っている。時々
巡査が来て小言《こごと》を云うが、すぐまた元のように人山《ひとやま》が出来てしま....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ふり返りました。声の主は紛れもない、一番後ろの席にいる身《み》の丈《たけ》抜群の
巡査です、
巡査は僕がふり向いた時、悠然《ゆうぜん》と腰をおろしたまま、もう一度前....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
い口調で、話しつづけた。)
それから、写真はいろいろな事があって、結局その男が
巡査につかまる所でおしまいになるんだそうだ。何をしてつかまるんだか、お徳は詳《く....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
少年少女の諸君には、塩せんべいと餡パンとを、呈上した。区役所の吏員や、白服の若い
巡査が「お礼を言って、お礼を言って」と注意するので、罹災民諸君はいちいちていねい....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
でも弾いていられた頃はまだしも達雄には幸福だったのです。達雄はこの間の震災以来、
巡査になっているのですよ。護憲運動《ごけんうんどう》のあった時などは善良なる東京....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
」というのは踏切りの向う側にいる人だかりだった。なるほど、そこには女の子が一人、
巡査に何か尋《たず》ねられていた。その側には助役《じょやく》らしい男も時々
巡査と....
「白」より 著者:芥川竜之介
た。黒犬は悪戦|頗《すこぶ》る努め、ついに敵を噛み伏せるに至った。そこへ警戒中の
巡査も駈《か》けつけ、直ちに狼を銃殺した。この狼はルプス・ジガンティクスと称し、....
「少年」より 著者:芥川竜之介
た。ここにその任命を公表すれば、桶屋《おけや》の子の平松《ひらまつ》は陸軍少将、
巡査の子の田宮《たみや》は陸軍大尉、小間物《こまもの》屋の子の小栗《おぐり》はた....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
なまなま》しい実際の葉柳だった。そこに警部らしい髯《ひげ》だらけの男が、年の若い
巡査をいじめていた。穂積《ほづみ》中佐は番附の上へ、不審そうに眼を落した。すると....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
衛門だと云う騒ぎで、早速橋詰の交番へ届けたんだろう。僕が通りかかった時にゃ、もう
巡査が来ていたが、人ごみの後から覗いて見ると、上げたばかりの女隠居の屍骸が、荒菰....
「或る女」より 著者:有島武郎
ましくやせ細った、目ばかりどぎつい純然たるヒステリー症の女になっていた。
三九
巡査の制服は一気に夏服になったけれども、その年の気候はひどく不順で、その白服がう....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
そこらを見廻していたが、次第次第に息が絶えてしまった。
赤坊が死んでから村医は
巡査に伴《つ》れられて漸《ようや》くやって来た。香奠《こうでん》代りの紙包を持っ....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
何処にまぎれたのか、其の姿は見当らなかった。 一時間の後に二人の警部が十数人の
巡査を連れて来船した。自分等は其の厳しい監視の下に、一人々々凡て危険と目ざされる....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
ば、次第に更けて人の通りの少なくなるを心待にして西へ東へと行きかえるうち、巡行の
巡査の見咎むるところとなり、「御身は何の所用ありてこの橋上を徘徊さるるぞ」と問わ....