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「巡航〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

巡航の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
わが町」より 著者:織田作之助
振り向いた眼の凄みに物を言わせて、他吉はきかなんだ。 その頃、大阪の主な川筋に巡航船が通った。 俥など及びもつかぬ速さで、おまけに料金もやすく、切符に景品を....
死までを語る」より 著者:直木三十五
とうとう中学五年間、一日の休みもなしに、この遠い道を歩いて通った。二年生時分から巡航船という、河々を通る石油発動機の船ができ、車夫が、この船を襲撃して大騒動を起....
光と風と夢」より 著者:中島敦
ーナー》は、マルケサス・パウモツ・タヒティ・ハワイ・ギルバァトを経て一年半に亘る巡航の後、一八八九年の終にサモアのアピア港に着いた。海上の生活は快適で、島々の気....
地球要塞」より 著者:海野十三
の中にいる筈の久慈たちは、一体なにをしているのであろうか。その前、クロクロ島は、巡航中の米連艦隊の鼻の先を、悠々と漂流していたという。それは、正気の沙汰ではない....
怪塔王」より 著者:海野十三
に潜水艦ホ十九号をよんでいます。 その潜水艦は、そのころちょうど南洋群島附近を巡航中でありましたが、よびだしの無電をうけとったので、すぐさま無電で応答してまい....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
めて暮らした。 日に何艘となく大きな船が水平線を撫でて過ぎた。その多くは地中海巡航や南米行きだったが、なかには、欧洲航路に往来する日本の船もあるはずだった。こ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
が突出してきて、こうなるとチョコレイトの倉庫を控えていても間に合わない。隙を見て巡航船へ避難し、ほうぼうの態でヴォクセニスカをあとにサイマ湖へ出た。 サイマ湖....
風景」より 著者:豊島与志雄
て、一直線に進んでゆく。やがて潮煙の彼方に、陸地が現われる。その沿岸を、船は暫し巡航し、上陸点を決定するや、まっしぐらに突き進む。船は半ば陸地に乗上げる。武装の....
」より 著者:織田作之助
へんか、寺田屋の三十石が出ますえと、キンキンした声で客を呼び、それはやがて淀川に巡航船が通うて三十石に代るまでのはかない呼び声であったが、登勢の声は命ある限りの....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
の耳に囁きはじめた。乗組員は二十名、艇は、一九〇六年の刻印どおり旧型の沿岸艇だ。巡航潜水艇ではない。それにもかかわらず、七つの海を荒れまわる胆力には驚嘆のほかな....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
通り俥をひいて出て、まるで新派劇の舞台が廻ったみたいだった。 当時、安堂寺橋に巡航船の乗場があり、日本橋まで乗せて二銭五厘で客を呼んでいたが、お前はその乗場に....
沈黙の水平線」より 著者:牧逸馬
れた三双の軍艦の他に、濠洲政府は Seven 号を出して一箇月半、約二千七百哩を巡航させたし、B・A・Lは特にセエビン号―― The Sabine ――を傭船《....
「マリー・ロオジェ事件」の研究」より 著者:小酒井不木
る駈落ちと、第二回目の仮定の駈落ちとの間に経過した時間は、アメリカの艦隊の一般の巡航期間よりも数ヶ月多いだけだということだ」と書いているところを見ると、やはり三....
熟語本位英和中辞典」より 著者:斎藤秀三郎
快走帆船、また汽船あり)。(-s'man)同上操縦者。【自動】快遊船を操縦する、巡航する、競走する。-'ing【名】同上すること。 Ya'ger(ユェーィガ~)....
水郷異聞」より 著者:田中貢太郎
たましい汽笛の音が静な空気を顫わして聞えて来た。それはその湖の縁から縁を航海する巡航船の汽笛であった。省三は婢が膳をさげて往く時に新らしくしてくれた茶を啜ってい....