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「巡邏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

巡邏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
てくれ」 その当時の市中取締役は庄内藩の酒井左衛門|尉《のじょう》である。その巡邏隊と歩兵隊とは、とかくに折り合いが悪く、途中で往々に衝突を演ずることがある。....
深夜の市長」より 著者:海野十三
う声、よく見ると何のことだ。先刻この窓を攀じのぼるとき、お尻を持ち上げてもらった巡邏の警官だった。彼は今まで辛棒づよく、この窓下に待っていたものらしい。――同じ....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
高射砲隊長の東山少尉は、頤紐のかかった面をあげて、丁度その時刻、帝都防護飛行隊が巡邏している筈の品川上空を注視したが、その方向には、いたずらに霧とも煙ともわから....
河明り」より 著者:岡本かの子
ら判らない言葉で怒鳴った。舷で米を炊いでいる女も、首を挙げて怒鳴った。水上警察の巡邏船が来て整理をつけた。 娘は滅多に来ないで、小女のやまというのが私の部屋の....
田原坂合戦」より 著者:菊池寛
は直ちに断然として斥けた。二十日には別府晋介の大隊が川尻に到着して、其夜、鎮台の巡邏兵四五十人と衝突した。これが両軍開戦の最初である。 二月十四日、乃木少佐は....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
――実際、町ではしょっちゅう騒乱が繰りかえされていた。遊芸園の東隣の女子学校へ、巡邏の支那兵が昼間|闖入した。 支那兵は二人だった。二人の支那兵は、女学生の寄....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
帯びて席上にすわっていたものに筒袖だん袋を着せ舶来の銃を携えさせて江戸城の内外を巡邏せしめるようになったというだけでも、いかに新将軍親政の手始めが旧制の一大改革....
走れメロス」より 著者:太宰治
であった。買い物を、背負ったままで、のそのそ王城にはいって行った。たちまち彼は、巡邏の警吏に捕縛された。調べられて、メロスの懐中からは短剣が出て来たので、騒ぎが....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
人を見て、しずかに水の底に沈んだ。 髑髏軍 西晋の永嘉五年、張栄が高平の巡邏主となっていた時に、曹嶷という賊が乱を起して、近所の地方をあらし廻るので、張....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
で廃されてしまった。その番兵の前からポリスというものがあって、これが邏卒となり、巡邏となり、巡査となったので、初めはポリスって原語で呼んでいた訳ですな。こういう....
一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
、そのときヘミングウェー嬢の部屋にいました。外は、ザクザクガチャガチャという音で巡邏が絶えません。しかし僕は、地図を見ながら、南行のスケデュールを組んでいました....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
た方へ引き返した。こうして一隻の運送船は闇に姿を隠したのである。 程経て水上を巡邏している水上警察署のモーターが何気なくその辺へ差しかかった時、主のない二隻の....
地上」より 著者:島田清次郎
が絶えず三人の目先にちらついていた。 この日の夕方、体操の教師が校舎の外囲を「巡邏」したとき、彼の靴先に白いものがかかった。彼は何気なく取り上げてみた。「吉倉....
純情狸」より 著者:佐藤垢石
奉行所の離れの間の庭先へ忍び込み、小みどりの様子を窺うのであったけれど、武士共の巡邏きびしく、たやすくは彼の一室へ寄りつけそうもない。石灯篭のかげに身をひそめ、....
好色破邪顕正」より 著者:小酒井不木
「今朝四時少し前のことです。一人の年若い女が御器所の方から跣足で歩いて来るのを、巡邏中の警官が見つけて、ひそかにあとをつけて行くと、女は中央線の高架線路の小針の....