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「工合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

工合の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
親子」より 著者:有島武郎
意をさえ持ちかねないけんまくを示したからだ。彼は単に、農場の事務が今日までどんな工合に運ばれていたかを理解しようとだけ勉めた。彼は五年近く父の心に背いて家には寄....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
妙は不思議なもので、サンガー夫人をひっぱって来る必要がない。人間は、ちょうどよい工合に一人が千年に一人ぐらい子供を産むことになる。これは接木や挿木をくりかえして....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
かり深く嵌めた、あまつさえ、風に取られまいための留紐を、ぶらりと皺びた頬へ下げた工合が、時世なれば、道中、笠も載せられず、と断念めた風に見える。年配六十二三の、....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
が、まばらな竹の木戸を、手を拡げつつ探り当てて、 「きっと飲ませますよ、この戸の工合が気に入りました」 と勢よく、一足先に上ったが、程もあらせず、ざわざわざわと....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
薄皮で、肉|充満という白いのが、妾だろう、妾に違いない。あの、とろりと色気のある工合がよ。お伽堂、お伽堂か、お伽堂。」 竹如意が却って一竹箆食いそうなことを言....
縁結び」より 著者:泉鏡花
、その絵が目に着いている。衣服の縞柄も真にしなやかに、よくその膚合に叶ったという工合で。小児の背中に、その膝についた手の仕切がなかったら、膚へさぞ移香もするだろ....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
通った。」 三 「はい、あの軒ごと、家ごと、向三軒両隣と申しました工合に、玉転し、射的だの、あなた、賭的がござりまして、山のように積んだ景物の数ほ....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
」 「だって、そうじゃありませんか、その気味の悪い、厭な感じ、」 「でも先生は、工合の可いとか、妙なとか、おもしろい感じッて事は、お言いなさるけれど、気味の悪い....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
いれば、親子、夫婦、兄弟が一|緒に暮らすことになるとのことでございますが、あんな工合では、たとえ一|緒に暮らしても、現世のように、そう面白いことはないのではござ....
醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
隠れる事が出来るくらいでした。人気がまるで無くて、全く深い林の中みたいです。この工合のいい隠れ場に一|羽の家鴨がその時巣について卵がかえるのを守っていました。け....
初雪」より 著者:秋田滋
分の病気が癒ることが怖かった。ノルマンディーのながい冬が恐ろしかった。彼女は体の工合がすこし快くなって来ると、夜、部屋の窓をあけて、遠く地中海のあたたかな海辺に....
母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
日泣いていました。 月日は早くもたって一年はすぎました。母親の方からは、身体の工合が少しよくないというみじかい手紙がきたきり、何のたよりもなくなってしまいまし....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
さをするよりほかなかった。イカバッドは、ボーンズとその一党の荒くれ騎士たちに妙な工合に苦しめられるようになった。彼らは今まで平穏だった先生の領域を荒らし、唱歌の....
罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
、あの下に乳房がどんな輪廓をしているということに思い及ばずにはいられない。そんな工合に、目や胸を見たり、金色の髪の沢を見たりしていて、フレンチはほとんどどこへ何....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
細長い萓の茎はいいあんばいに煙管の中を通りぬけて苦もなく旧に復し、又彼をして好い工合に煙草を吸わせる。煙草の煙は白い輪を画いて、彼の猟帽の端から頭近くのぞいた楢....