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「左側〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

左側の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
紙を覗きこんだ。 「二町目の角に洋食屋がありましょう。あの露路《ろじ》をはいった左側です。」 「じゃ君の清元《きよもと》の御師匠さんの近所じゃないか?」 「ええ....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
壮厳な我我の愚昧に依ったのである。 修身 道徳は便宜の異名である。「左側通行」と似たものである。 * 道徳の与えたる恩恵は時間と労力との節....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
を巻いている所を、勘定《かんじょう》して御覧なさい。必ず新橋から京橋までの間に、左側に三個所、右側に一個所あって、しかもそれが一つ残らず、四つ辻に近い所ですから....
或る女」より 著者:有島武郎
として、八分通りつまった両側の乗客に稲妻《いなずま》のように鋭く目を走らしたが、左側の中央近く新聞を見入った、やせた中年の男に視線がとまると、はっと立ちすくむほ....
星座」より 著者:有島武郎
た空は実際は初冬らしくこうこうと冴えわたって、無数の星が一面に光っていた。道路の左側は林檎園《りんごえん》になっていて、おおかた葉の散りつくした林檎の木立が、高....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
巻莨《まきたばこ》を取り出だして、脣《くちびる》に湿しつつ、 「話はこれからだ」左側《さそく》の席の前端《まえはし》に並びたる、威儀ある紳士とその老母とは、顔を....
星あかり」より 著者:泉鏡花
なか気が晴々しないから、一層海端へ行って見ようと思って、さて、ぶらぶら。 門の左側に、井戸が一個。飲水ではないので、極めて塩ッ辛いが、底は浅い、屈んでざぶざぶ....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
おられぬ。川留か、火事のように湧立ち揉合う群集の黒山。中野行を待つ右側も、品川の左側も、二重三重に人垣を造って、線路の上まで押覆さる。 すぐに電車が来た処で、....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
良いのを。」 「ええ、もう飛切りのをおつけ申しますよ。」と女房は土間を横歩行き。左側の畳に据えた火鉢の中を、邪険に火箸で掻い掘って、赫と赤くなった処を、床几の門....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
まず、……極めつけたものよ。当人こう見えて、その実方角が分りません。一体、右側か左側か。」と、とろりとして星を仰ぐ。 「大木戸から向って左側でございます、へい。....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
ようなら参ります。」 とつかつかと書斎を出でぬ。叔母は引添うごとくにして、その左側に従いつつ、歩みながら口早に、 「可いかい、先刻謂ったことは違えやしまいね。....
星女郎」より 著者:泉鏡花
造は衣紋を合わせて、 「何ですか、その一軒家というのは、以前の茶屋なんでしょう、左側の……右側のですか。」 「御存じかな。」 「たびたび通って知っています。」 ....
小夜啼鳥」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
、鳥のまわりにならべ立てられました。鳥は、「帝室御夜詰歌手長」の栄職をたまわり、左側第一位の高位にものぼりました。たいせつなしんぞうが、このがわにあるというので....
島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
たことを覚えている。 僕等は発行所へはいる前にあの空罎を山のように積んだ露路の左側へ立ち小便をした。念の為に断って置くが、この発頭人は僕ではない。僕は唯先輩た....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
、両軍の分離に乗じ速やかに主力をもってサボナからケバ方向に前進し、サルジニア軍の左側を攻撃、これを撃破する決心であった。当時海岸線は車も通れず、騎兵は下馬を要す....