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「左方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

左方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
まず法水は、左右から歩み寄って来た二条の足跡が合致している点に立って、そこから、左方にかけての一つを追いはじめた。そこはちょうど、死霊が動いていたと云われる張出....
碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
から、明軍望み見て鬨を挙げて攻め押せた。三千の日本軍浮足立ったのを、四郎兵衛馬を左方の高みへ乗上げて下知を下す。粟屋|掃部、益田七内、村上八郎左衛門、石原太郎左....
大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
。 幸村茶臼山に陣し、毛利勝永は天王寺南門に備え、大野治長の先鋒銃隊東に在り、左方岡山口は大野治房を配し、迂回すべき遊軍は明石|全登が精兵三百を率いた。又秀頼....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
鵑も藪地で唄い出した。長閑な世界となったのである。 富士は玲瓏と澄み返り彼らの左方に聳えていた。肌は咲き初めた紫陽花のように、濃い紺青や赤紫やまたは瑠璃色やま....
ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
のどの辺にあったかと聞かれると、ちょっとまごつくわね。あたし多分先生の書き物机の左方にある別の机の上に置いてあったと思ったわ。え? ええ、先生の死骸は何でも死後....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
なものは整う。 自分の部屋から、地中海が見える。五丁程だ。 伊太利の連峰が、左方に雪を被って並んでいる。日本から近ければ、海の家だとか云うて皆遊びに来ればす....
女性の不平とよろこび」より 著者:岡本かの子
与謝野家の歌会の時、その座のクインであった晶子夫人が、着座しばらくにして、上躯を左方に退き膝を曲げてその下から一脚を曲げて右方へ出されました。夫人特有の真白い素....
二つの短い話」より 著者:ケネディパトリック
全く私と阿母さんとでその白鵞鳥をすっかり食べて仕舞ったんです。だけれども、たった左方の翼のところだけはのこして赤毛のメリーにやりました。彼奴が、教父に私が白鵞鳥....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
。では、文麻呂。さらばじゃ! 文麻呂 さようなら! お父さん! 石ノ上ノ綾麻呂、左方へ下りて行く。退場。 文麻呂。独り中央丘の上に残る。 あたりには夕闇が立ち籠....
画道と女性」より 著者:上村松園
半ば頃ででもあったでしょうか。 図組みはそっくり以前のままを使い、色彩も向って左方に屈んでいる娘の着物の色を、薄紅系統に変えて、右方に立った娘の薄紫地のものと....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
第二場 領主の館の裏庭。同じ夜。 一面の罌粟畑、月光それを照らす。左方に領主の一子(公子)の住む高殿聳つ。その奥は断崖にして海に連なる。右方には音....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
して盆を右方にめぐらせ」と。また曰く、「この盆を右方にめぐらすをいとわば、なんぞ左方にめぐらさざるや」と。このとき、盆の徐々に運行するを見る。けだし、この動作た....
火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
五哩ばかり、徐家匯附近の庶民の墓処に見るところで、藤波大円君の寄贈にかかる。その左方のは木棺をそのまま雨露に曝したもので、蓋の木材の継目のあたりは、既に腐朽を示....
法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
ままの礎石と交えて、使用せられた事実が極めて明白に認められるのである。ことにその左方のものは、礎石の据え付けにやや傾斜を生じたが為にか、その柱座を削り取るにあた....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
て暖帯に入る。熱帯は赤道の南北二十三度半を限りとす。右方に豪山の脈々たるを望み、左方に小嶼の波間に点在するを見る。朝気やや秋冷を覚ゆ。 火輪蹴。 (船の外輪は海....