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「巧み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

巧みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
る都合の好い口実のもとに父母の金銭を盗もうとした。それでもまだ金の足りない時には巧みに両親の歓心を買い、翌月の小遣いを捲《ま》き上げようとした。就中《なかんずく....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
ても、彼の全部をその中に注ぎこむためには、あまりに形式が小さすぎる。だからいかに巧みに詠《よ》みこなしてあっても、一句一首のうちに表現されたものは、抒情《じょじ....
不思議な島」より 著者:芥川竜之介
イギリス》語を使った。しかし老人は無頓着《むとんじゃく》に島の影を指さしながら、巧みに日本語をしゃべりつづけた。その指さした袖《そで》の先にも泡のようにレエスが....
少年」より 著者:芥川竜之介
か? お嬢さん、あなたは御存知ですか?」 保吉はもう一度顔をしかめた。宣教師は巧みにクリスト教の伝道へ移るのに違いない。コオランと共に剣を執《と》ったマホメッ....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
虚偽 わたしは或※つきを知っていた。彼女は誰よりも幸福だった。が、余りに※の巧みだった為にほんとうのことを話している時さえ※をついているとしか思われなかった....
忠義」より 著者:芥川竜之介
聞くと、修理の顔は、急に別人の如く喜びにかがやいた。その変り方には、役者のような巧みさがある。がまた、役者にないような自然さもある。――彼は、突然調子の外《はず....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
《ひん》したのに違いない。が、博士は悠然《ゆうぜん》と葉巻の煙を輪に吹きながら、巧みに信用を恢復《かいふく》した。それは医学を超越《ちょうえつ》する自然の神秘を....
或る女」より 著者:有島武郎
いだがら》になっていた。こういう場合葉子がどれほど恋の場面を技巧化し芸術化するに巧みであったかはいうに及ばない。木部は寝ても起きても夢の中にあるように見えた。二....
或る女」より 著者:有島武郎
えないほどしみじみとした楽しさだった。何事にでも器用な葉子は不足がちな台所道具を巧みに利用して、西洋風な料理と菓子とを三品《みしな》ほど作った。定子はすっかり喜....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
うか。私にはそんな心持は通じない。高尚だといえばいう程それがうそに見える。非常に巧みな、そして狡猾な仮面の下に隠れた功利主義としか思われない。物質的でないにせよ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
縁関係を以て結ばれている。が、時にその例外がないでもない。或る霊は、人間の指導が巧みである為めに特に選抜される。或る霊は、特殊の使命を遂行すべく特派される。或る....
諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
のは、胴と同じように、頭も木で出来てあったが、伊香保のは、頭が張子で、形は段々と巧みになっている。それからこの間、『耽奇漫録』から模したのですが、日向国高鍋の観....
凧の話」より 著者:淡島寒月
所に広場があったので、そこへ持ち出して揚げる。揚りきるとそのまま家々の屋根などを巧みに避けて、自分の家へ持ち帰り、家の内に坐りながら、大空高く揚った凧を持って楽....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
mpson. 伝も研究も大体出ておる。これが今日で最も手近な本である。ただ文章が巧みだとか、平易だとかはいい難いかも知れない。 第五に、 Life and Di....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
ことを誓う。 一同 誓う。 花田 そのためには日ごろの馬鹿正直をなげうって、巧みに権謀術数を用うることを誓う。 一同 誓う。 花田 ただし尻尾を出しそう....