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「巨漢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

巨漢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
第五氷河期」より 著者:海野十三
と、人もなげな口をきいた。 そのとき、入口から、力士にしてもはずかしくない巨漢が現われた。きちんとした制服に身をかためた植松総監だった。そのあとから、背広....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
た。鬼川は横腹をおさえて、もろくも、転倒した。 カーテンの蔭から、ルパシカ姿の巨漢が現れた。 「中佐どの、片附けました」 彼は、カーテンの蔭に言葉をかけた。....
爬虫館事件」より 著者:海野十三
拶をした。「一体いつ頃お気がつかれたのですか」 「全く困ったことになりましたよ」巨漢の理学士は顔を曇らせて云った。「いつ気がついたということはありませんが、不審....
地中魔」より 著者:海野十三
ましい出陣に移ろうというその時だった。そこへ駈けつけたのは一人の少年と、布袋腹の巨漢、これはいうまでもなく少年探偵の三吉と珍探偵大辻だった。 「オイ三吉どん」と....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
その真相と云うのが、判って見ると、すこぶる悪魔的な冗談なんだよ、驚くじゃないか。巨漢レヴェズの套靴を履いたのが、かえって、その半分もあるまいと思われる、矮小な人....
光と風と夢」より 著者:中島敦
くせに一向意気地がなく、のろまな哀願的人物である。ヘラクレスの如くアキレスの如き巨漢が、甘ったれた口調で、私のことを「パパ、パパ」と呼ぶのだから、やり切れない。....
若き日の成吉思汗」より 著者:林不忘
の入口より、成吉思汗《ジンギスカン》の軍使、近衛隊長|木華里《ムカリ》(六尺余の巨漢、隆々たる筋骨)が、城兵四五人に囲まれ、両手を後ろに縛されて出て来る。 ....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
本董三氏で、美髭を生やした眉の太く長い、眼と口の大きい、いかにも豪傑らしい風貌の巨漢であった。 氏は金貸を業としていたにも似合わず、翁のために献身的に働く純情....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
かな深夜のことだった。 黒衣に身体を包んだ二人の賊の、一方は背の高く肩幅の広い巨漢であって、男にちがいなかった。もう一人の賊は、五尺二寸ばかりで、ずっと低く、....
恐竜島」より 著者:海野十三
てもやはり空箱を四つばかりならべて、その上に布《きれ》をかぶせてあるものだが――巨漢《きょかん》モレロが、山賊の親方のように肩と肘《ひじ》とをはり、前に酒びんを....
火葬国風景」より 著者:海野十三
うと努めたけれど、そこまで出ているのに思い出せない。それは非常に肥えたあから顔の巨漢で、鼻の下には十センチもあろうという白い美髯をたくわえていた。 室内は、ど....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
着島すると、夜だというのにリット提督はわざわざ出迎えた。飛行機の中からは、二人の巨漢が下りてきて、リット提督と、かわるがわるかたい握手をした。それ以来ずっと、こ....
ニューフェイス」より 著者:坂口安吾
をぶらさげて奥の座敷へ運びこみ、パチパチパチと二十ばかりひッぱたく。六尺三十貫の巨漢だから、意識して力をぬいているけれども、頭は一時にボウとかすんで、ソプラノ嬢....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
。座敷の縁側を通り過ぎて陰気な重苦しい土蔵の中に案内されると、あたかも方頷無髯の巨漢が高い卓子の上から薄暗いランプを移して、今まで腰を掛けていたらしい黒塗の箱の....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
が、その時、私の前に立ちふさがり、私をかばってくれたのが五尺八寸、二十数貫という巨漢佐藤清吉君であった。佐藤君は相撲取りをしたことがあり、力があるので指揮者の警....