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差上げる
「差上げる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
差上げるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
か私の精神に異常がないと云う事を、御信じ下さい。さもないと、私がこの手紙を閣下に
差上げる事が、全く無意味になる惧《おそれ》があるのでございます。そのくらいなら、....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、品行が何だ。当方からお給事をしようと云うんじゃなし、第一欲しいと仰有ったって、
差上げるやら、平に御免を被るやら、その辺も分らないのに、人の大切な令嬢を、裸体に....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
司法大臣閣下。 少しの御面識もない無名の私から、突然かかる書状を、
差上げる無礼をお許し下さい。私は大正三年五月二十一日千葉県千葉町の郊外で、兇悪無....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
はござらぬ、という潔い言葉に吾《わ》が身をよろおって、会津も仙道諸郡も命のままに
差上げることにした。 埒《らち》は明いた。秀吉は政宗を笠懸山《かさがけやま》の....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
の財産には目をつけた。そういう人だから、私が砂糖だバタアだ醤油だ米だとチョイ/\
差上げるのを狎れてきて、まるで当り前のように、今度は何をとサイソクする。私を三下....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
いたが、机上から一通の封書をとりあげて、 「これは大庭先生が記代さんの下宿の人に
差上げるお手紙。この中には、あなたのことが書いてあるのです。記代子さんのお部屋の....
「鍬と鎌の五月」より 著者:黒島伝治
重ねられて行く薪は、背丈けほどの高さになった。宗保は、後藤と西山とが下から両手で
差上げる薪束を、その上から受け取った。彼が歩くと薪の塚は崩れそうにゆさ/\と揺れ....
「チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
想していらっしゃる。画架を持って来いとおっしゃった。 アントオニオ だが、それを
差上げるわけには行くまい。ねえ、いけないんだろう。 ジヤニイノ 医者はいいと言っ....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
は、大抵次ぎのような会話が交わされるのであった。 「……そりゃね、今日の処は一円
差上げることは差上げますがね。併しこの一円金あった処で、明日一日|凌げば無くなる....
「ある恋の話」より 著者:菊池寛
私を追っかけて来て、 『染之助親方が、これは御ひいきに預りましたお礼のしるしに、
差上げる寸志でございますから、まげてお受納下さいますようと申しておりました』と、....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
柳とは無言で頭を下げる。) 浦辺 勿論、工場の方にも規定があって、相当の弔慰金を
差上げる筈になって居りますから、いずれ改めておとどけ致します。 李中行 (低い声....
「米国の松王劇」より 著者:岡本綺堂
更に三十一日まで一週間の日のべをした位であるから、二十五日以後でなければ入場券を
差上げるわけには行かないと、気の毒そうに断るのです。実際我々ばかりでなく、おなじ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
得三|手燭にてこの仕懸を見せ、「平常は鎖を下してお藤を入れておくが、今晩は貴下に
差上げるので、開けたままだ。こちらへお入り。と先に立ちて行く後より、高田も入りて....
「消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
開けてはいけません』 そうしてやはり押えたまま、 『これはあなたを信用して私が
差上げるものなのです。日本へ着いたら電報を上げますから、その電報が届いたら直ぐ開....
「自来也の話」より 著者:岡本綺堂
ないことは覚悟していますから、どうかまあ勦わって下さい。そのお礼としてお前さんに
差上げるものがあります。あの宝叔塔の幾階目に白金が少しばかり隠してありますから、....